本研究の目的は、第二次大戦期のアメリカにおける、音楽による戦争協力の様態を明らかにすることである。 考察にあたっては音楽プロパガンダについて、以下の3つの視点から考察を加えた。第1に戦争に直接かかわる楽曲(行進曲など)、第2に戦争を肯定的に描いた楽曲(戦争を題材にした交響詩など)、第3に慰問に類する機能を持った音楽である。4年間の研究期間のうち3年目、4年目(2020-21年度)においてコロナ禍のためにアメリカの図書館を訪問できず、きわめて厳しい状況に陥ったが、当面得られた成果を2022年度の音楽学会で報告したのち、23年度以降には、今回かなわなかった現地での雑誌調査を行なう予定である。
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