本研究により、障害者の創作活動を支援する意識と、アーティストの問題意識には親和性が高いことが明らかになった。日本では、障害者の創作物に「アール・ブリュット」などの名前を付けて、通常の美術活動とは分離して評価する傾向があるが、障害者が被っている差別や社会的困難など、障害者福祉に関する現代社会の問題の解決のために、障害者とアーティストが協働して取り組んでいる事例も増えつつある。アーティストがこの問題により積極的に関わるためには、障害者の創作活動についてあまり知識がない、あるいは関心がないアーティストにも出会いの場を提供することが重要であり、そのための提案を今回の研究では示すことができた。
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