研究課題/領域番号 |
18K00156
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研究機関 | 國學院大學北海道短期大学部 |
研究代表者 |
山寺 三知 國學院大學北海道短期大学部, その他部局等, 教授 (70352507)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 古琴 / 七絃琴 / 東洋音楽 / 碣石調幽蘭第五 / 浦上玉堂 / 荻生徂徠 / グーリック/フーリック/ヒューリック/フーリク / 唐招提寺 |
研究実績の概要 |
本年度は、以下の作業を行った。 ①令和5年9月・令和6年3月に、研究協力者である長谷部剛氏(関西大学教授)・山寺美紀子氏(関西大学東西学術研究所非常勤研究員)とともに、林謙三旧邸において林謙三旧蔵資料の調査・整理等を行った。今回は特に林謙三旧蔵洋装本リストの作成のための書誌等の調査と、林謙三が太田太郎(1900-1945)から譲り受けた楽器学関連資料の調査を行った。/②令和5年9月・令和6年3月に、長谷部剛氏・山寺美紀子氏とともに、関西大学において、すでに同大学に移管している林謙三旧蔵資料の調査、打ち合わせ等を行った。/③令和6年3月に、山寺美紀子氏とともに、奈良県立図書情報館において林謙三に関する新聞記事を調査した。以上、①②③は、科学研究費助成事業基盤研究(B)「東アジア古代歌謡の文学的・音楽学的アプローチによる双方的研究」(課題番号:21H00509。研究代表者:長谷部剛)と共同で行ったものである。/④林謙三の未発表原稿「七絃琴雑記」(1945年以前に執筆)の翻刻を行い、公表した(その内容は、「琴制の発達」「琴案」「幽蘭琴譜」「玉堂琴譜」「徂徠と琴学」「琴道 高羅佩著」からなる)。この草稿は、林謙三著『東アジア楽器考』(東京:カワイ楽譜、1973年)や同『東亜楽器考』(北京:音楽出版社、1962年)の前身にあたる『東亞樂器考』(未刊行。冨山房より刊行予定であったが、1945年出版取りやめ)に収録される予定であったものである。関連資料として、同じく未発表原稿「招提寺東塔遺材の琴」の翻刻を附した。/④山寺美紀子氏が、論文「林謙三の古琴研究と高羅佩(Robert Hans van Gulik)・査阜西らとの交流について」を執筆・公表した。/⑤林謙三旧蔵洋装本リストの作成については、上述の実地調査により作業に進展が見られたが、完成にはいたっていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度・令和3年度に新型コロナウィルス流行の影響により実施を中断していた出張調査が、令和4年度以降、再開することができるようになり、遅れを取り戻している。一方、令和5年度に行った作業では、洋装本の書誌事項の調査に手間取り、予想以上の時間を要している。また、当初予定していたオープンリールテープのデジタル化は、実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の拡大による研究計画変更等に伴う補助事業期間が認められ、研究期間を令和6年度まで延長することができた。令和6年度も、令和4・5年度に続いて出張調査を実施できる見通しであり、研究の進展が期待できる。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:研究期間を延長したことに伴い、令和6年度の調査や研究に必要な経費を確保した。 令和6年度の使用計画:①調査出張の旅費、②調査・翻刻のための関連書籍の購入、③調査・翻刻のための機器及び消耗品の購入、④調査・翻刻のための資料複写、⑤オープンリールテープ音源のデジタル化(業者委託)等。
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