本研究は、研究代表者である藤澤紫が研究代表となった「國學院大學特別推進研究助成金」(2016年度)による研究「子どもと母子の図像学―意匠性と吉祥性を中心に―」を基礎とする。2014年に発足した「国際子ども文化研究会」の関係者と協力しながら、國學院大學(東京都渋谷区)にて継続的な研究会を重ねた。パンデミックの影響で対面開催が困難になった際も、オンラインによる会議やメールによる情報の共有、報告書の作成などを介し、定期的な研究報告を行ってきた。 研究代表者の藤澤紫が令和5年度に派遣研究の機会を得て、夏から冬にかけて計90日、欧州に滞在した。ベルギーのルーヴェン大学に客員として籍を置き、ベルギー王立美術館(Musees royaux des beaux-arts de Belgique)、ライデン国立民族学博物館(Rijksmuseum Volkenkunde)、キヨッソーネ東洋美術館(Museo d'Arte Orientale Edoardo Chiossone)をはじめ、計6か国(ベルギー、オランダ、ドイツ、イタリア、フランス、ルクセンブルク)の美術館、博物館、図書館等における作品の実地調査、展示の実見、資料の収集に尽力した。 またルーヴェン大学と國學院大學の協力を得て、「19~20世紀日本の絵画・工芸・芸能・音楽と東西文化交流」をテーマに、研究会(2nd University of Leuven/ Kokugakuin University International Academic Exchange Programme)を開催した。ルーヴェン大学の若手研究者2名と、日本から藤澤を含む4名の研究者が参加し、発表や活発な質疑応答が行われた。その成果を軸に最終年度のまとめとして報告書を刊行、概要とパワーポイント等の資料を掲載し、研究成果を共有した。
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