本研究課題では、初唐時代の律匠・仏教史家である南山大師道宣の晩年の著作『集神州三宝感通録』のうち、巻下の「聖寺録」と「瑞経録」について、『大正新脩大蔵経』所収本を底本として訓み下し・現代語訳と詳細な注釈をおこない、そこから抽出した問題や関連する事象について論攷することを目指した。この成果は研究期間中に随時、冊子体の成果報告書として刊行し、国内外の大学や図書館など当該研究分野の関係機関や研究者に配布し、所見や修正意見などを広く求めた。成果報告書は合計3冊、すなわち『美術史料として読む『集神州三宝感通録』―釈読と研究(十二)』全197頁、『同(十三)』全124頁、『同(十四)』全125頁である。
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