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2021 年度 実施状況報告書

剥製美術の研究――近現代美術におけるヒトと動物の関係の諸問題

研究課題

研究課題/領域番号 18K00191
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

森山 緑  慶應義塾大学, アート・センター(三田), 講師(非常勤) (20779326)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード現代美術 / 剥製 / 毛皮 / 狩猟 / 環境問題 / 展覧会 / 鑑賞体験 / データベース
研究実績の概要

本研究は国内外で発表されている美術作品のうち、動物由来の素材(剥製、毛皮、骨など)を用いている作品について研究するものである。これまで、国内作家では鴻池朋子、名和晃平、小谷元彦の各氏に取材を行い、それぞれについて考察した論考を発表した。新型コロナウイルスの影響により、申請書において計画していた最終年度(2020年度)に実施する予定であった海外調査、取材ができなかった。具体的には、スコットランドのグラスゴー大学エリカ・ファッジ教授にアニマス・スタディーズに関して、研究上の意見交換をすること、ロンドン芸術大学での調査およびロンドン市内での剥製師によるワークショップの取材、ドイツ・ハンブルク大学のブレント教授との意見交換などが、先送りとなった。
剥製美術作品の資料収集は、継続的に実施しており、データベースの基礎となる作品情報および画像の探索、収集も行っている。また剥製そのものの歴史、技術の発展について国内外の文献収集を行なった。これらはスプレッドシートでリスト化し、適宜、情報追加をおこなっている。資料や文献収集においては、美術史分野のみならず、人類学や倫理学、哲学領域へも視野を広げて実施した。
国内で可能な取材を以下の通り実施し、2022年7月に論考を発表予定である。
1. 今道子氏(剥製や魚類を用いた写真作品を制作) 2. 村松桂氏(剥製を被写体として写真作品を制作)
3. 杉本惠司および上野郁代氏(都内の剥製製作会社「アトリエ杉本」の剥製師)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の影響により、海外調査および取材が困難であったが、ようやく段階的に欧米の状況が改善され、2021年度末にかけて計画の一部を実施しようと試みていたところ、ウクライナ情勢の緊迫によって再度の計画変更を余儀なくされた。
しかし国内での調査、取材を実施し、これまで本研究内で扱ってこなかった、剥製を被写体とした写真作品を発表している作家について考察することができた。また、国内外の作品情報の収集および画像探索、文献収集については継続的に実施できた。

今後の研究の推進方策

延長申請が許可されたので、2022年度には海外調査、取材に赴く予定としている。その前段階としてオンラインでのインタビューを計画し、現地へ行った際に具体的にどのような調査が可能かを具体的に決定する。
学際的な学会、国内では「ヒトと動物の関係学会」、国外では「Arts in Society」に投稿、発表を計画している。「Arts in Society」はスペインでの開催だがオンライン参加をする予定である。これらの学会での発信活動を通じて、さらに剥製美術に関する知見を深め、他分野の研究者との意見交換を行う。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の拡大により、海外渡航が制限され、当初計画していた欧州および米国での調査、取材が困難となったため。
本年度に調査可能な状況となれば、計画にあるドイツ、英国および米国での調査、取材を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 剥製美術(3) 合成獣からトランス・スピーシーズへーー小谷元彦《Human Lesson 〈Dress01〉》を中心に2021

    • 著者名/発表者名
      森山 緑
    • 雑誌名

      慶應義塾大学アート・センター年報/研究紀要28(2020/2021)

      巻: 28 ページ: 116-127

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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