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2023 年度 実績報告書

剥製美術の研究――近現代美術におけるヒトと動物の関係の諸問題

研究課題

研究課題/領域番号 18K00191
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

森山 緑  慶應義塾大学, アート・センター(三田), 講師(非常勤) (20779326)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード現代美術 / 剥製 / 毛皮 / 狩猟
研究実績の概要

本研究では剥製や毛皮を用いる美術家およびその作品についての調査研究を実施した。2018年度には、秋田県を中心に東北地域でのマタギに関する調査を行い、美術家・鴻池朋子氏が用いるクマの毛皮作品とマタギに伝わる毛皮やクマの身体を利用してきた歴史について知見を得た。現在でも集落に伝承されるマタギ猟師に関する知見は猟友会会長のインタビュー、秋田県立博物館の学芸員への取材で多くの情報を得ることができた。同様に、毛皮を用いた美術家・小谷元彦氏へのインタビュー取材を実施し、制作意図や毛皮、剥製に対する美術家の思考についての知見を得た。また、害獣駆除の問題に関して、千葉県君津市の市役所の取り組み、および、花卉農家の笹子氏がイノシシ猟を行うことについて調査を行った。
2019年度には、京都にスタジオを持つ名和晃平氏に取材を実施し、剥製を素材とした作品の制作過程やその着想等につき知見を得た。年度末にはロンドンとドイツ・デュッセルドルフおよびハンブルクにおいて、剥製美術作品に関する調査を実施した。テート美術館アーカイヴでの調査、クンストパラストでの調査を通じて、海外作家作品の多岐にわたる表現について各種情報を得ることができた。またロンドン芸術大学での研究者らとのミーティングでも研究への助言や情報を得ることができた。
2020年度、新型コロナ感染症の拡大により、調査や取材活動が困難となったため、主に文献資料や展覧会情報から剥製美術作品のデータベース作成と文献資料リストの作成を行った。
2021年度から2023年度まで延長されたことにより、2022年度に藤森照信氏に取材を実施、長野県茅野市における鹿や猪の剥製頭部を用いた史料館設計に関する知見を得た。
これらは、所属機関の紀要に論文投稿したほか『ヒトと動物の関係学会』や『動物観研究』等の学会誌へ投稿、口頭発表を行った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 3件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 剥製美術研究  ーー生と死のリアリティとアクチュアリティーー2024

    • 著者名/発表者名
      森山 緑
    • 雑誌名

      ヒトと動物の関係学会誌

      巻: 68 ページ: -

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 神長官守矢史料館の復元にみる動物の 「かたち」――鹿、猪2024

    • 著者名/発表者名
      森山 緑
    • 雑誌名

      動物観研究 : ヒトと動物の関係学会誌

      巻: 29 ページ: -

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 剥製美術(5)食から考えるヒトと動物の関係― ダニエル・シュペリの“EatArt”活動 を中心に2023

    • 著者名/発表者名
      森山 緑
    • 雑誌名

      慶應義塾大学アート・センター年報/研究紀要

      巻: 30 ページ: 136, 145

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 剥製美術研究  ーー生と死のリアリティとアクチュアリティーー2023

    • 著者名/発表者名
      森山 緑
    • 学会等名
      ヒトと動物の関係学会 第30回学術大会
  • [学会発表] 神長官守矢史料館の復元にみる動物の 「かたち」――鹿、猪2023

    • 著者名/発表者名
      森山 緑
    • 学会等名
      動物観研究ゼミナール

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公開日: 2024-12-25  

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