「きもの」文化の研究は、従来そのハイ・カルチャー的な側面に焦点を当てたものが多い。それに対して、本研究は海外へ輸出された捺染生地、観光芸術・土産品としてのスカジャン、ハッピーコート、アロハシャツ等、「きもの」文化に関連した比較的廉価な繊維製品の歴史を補完することで、モノ・技術・デザインのグローバルな循環を総合的に叙述し、それにより、欧米中心的視点では見えてこない世界史を方法論的に提示した。 本研究を遂行することにより、伝統産業の活性化に不可欠な学術的裏付けと国際的な情報発信を継続的・効果的に推進することができた。結果、海外研究者・研究機関の関心も高まり、国際共同プロジェクトが始まっている。
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