研究課題/領域番号 |
18K00205
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
桝井 省志 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 教授 (70720887)
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研究分担者 |
長嶌 寛幸 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 教授 (10621790)
筒井 武文 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 教授 (70420297)
横山 昌吾 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 助教 (80761725)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 映画制作 / 映画配給 / デジタルシネマ / アーカイブ |
研究実績の概要 |
本研究の最終目的である、映画制作、アーカイブ、配給(配信)までの要素を統合したインフラプラットフォームの開発のための初期段階として、2005年の本研究科設立以来製作された映画のオリジナルデータ、映画に関わる資料データ等の整理を行った。 また、各作品に関連する諸権利についても纏め、今後映画配信を行うにあたりクリアすべき権利問題について精査した。 上記に加え、修了生たちの国際的な活躍に伴い、国内のみならず国外からも作品上映の希望が寄せられることが多くなったため、オンライン上での上映申請と映画のデジタルデータの受け渡しの実現に向けたシステムを手がけ始めた。この場合、上映許可に関するいちばん厄介な問題だと思われる権利処理についてもデータベースと連動するように進めている段階である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究科設立以来、この13年間で製作された作品はかなりの数にのぼる。それらのオリジナルデータおよび作品制作に関連する情報をデータベース化できたのは、アーカイブの本格的なデジタル化に向けた大事な土台となるであろう。 一方で、映画の上映・配信に付随する権利問題については、引き続き精査していく必要があり、より効率的な権利問題の解決に向けて、さらに研究を深めていきたいと考える。 しかしながら、全体として、本研究の最終目標である、制作、アーカイブ、配給(配信)の3分野を統括した管理・運用システムの構築による新しい映画管理の提案が、上述した海外での上映等においても効果が期待できるのではないかと考え、国内だけにとどまらない国際的な視野においての映画・映像教育にも寄与できる可能性が出てきたため、現在までの達成度を“おおむね順調に進展している”と評価した次第である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度作成したデータベースの精度を高めると同時に、東京藝術大学のサイト上でアーカイブ検索等を試験的に実施する。それらの結果をもとに、さらに技術的な問題や内容を検証していく。 また、上述したオンライン上映申請を始動させるために、この部分のシステムの構築を進める。日本語版の他に英語版を作成し、海外からの申請を容易にする。最終的にはあらゆるデータベースと連動し、効率的な申請・上映許可を目指し、作品のさらなる国内外での上映機会を増やす。 映画配信の権利的問題点については、さらに精査し、著作権等をクリアにする工程を記録することで、ますます複雑になる権利処理について、次世代の映画・映像教育を受ける人たちの指針となるようにする。また、権利問題をクリアした作品を随時東京藝術大学のサイトを通じて試験的に配信し、技術的な検証を行うと同時に、研究成果を一般に還元していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究科でこれまで製作された作品は上述したとおりかなりの数にのぼり、それらをデジタルデータとして保存するアーカイブ用のサーバ機器を購入する必要がある。 また配給(配信)に伴う権利処理は煩雑で、かなりの人的労力が必要である。従って、データ管理およびシステム構築の人材に加え、権利処理を行う実務的人材も必要とする。 データベースの精度を高めると同時に、各作品の権利処理を進めていく。その間に、本学のサイトを通じてネット配信を試験的に実施し、そのためのサーバを含めた技術的問題を随時解決していく。
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