研究課題/領域番号 |
18K00207
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
川井田 祥子 鳥取大学, 地域学部, 教授 (40567632)
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研究分担者 |
佐々木 雅幸 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (50154000)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 障害者 / 社会的包摂 / 表現活動 / 承認 / well-being / opera / 生涯学習 |
研究実績の概要 |
2022年度の研究実績として、まずオンライン形式でのインタビュー調査が挙げられる。障害のある人も参加できるワークショップを各地で展開しているサーカズ・アーティストの金井圭介氏、美術家の中津川浩章氏と大久保つくし氏に、表現意欲を引き出す関わり方、表現活動がもたらすものなどについて、インタビューを行った。とくに自由な表現を認める関わり方を継続して行うことによって、参加者一人ひとりの自己肯定感を育むことが再確認できた。 もうひとつの実績は、陶芸家の廣瀬泰樹氏を附属特別支援学校へ講師として招き、高等部の生徒たちと陶芸のワークショップを行ったことである。さまざまな釉薬を準備しておき、生徒たちがグループごとに話し合って、よりよい陶器づくりのために釉薬で色を重ねていく経験は、着実に表現意欲と自己肯定感を育んでいることを参与観察できた。発達論の観点から「学校から社会へ」の移行をスムーズに行うための表現活動とは何か、どの生徒もoperaを実現するための発達保障に関して考察を続けていく予定である。 加えて、生涯学習に関する文献調査と、オンラインでの研究会に参加し、知見を得たことが挙げられる。生涯学習に関してはユネスコの過去の報告書などを渉猟し、これまでの経緯や各国での議論を参照した。今後はこれらの調査から得られた知見をふまえ、生涯学習とoperaに関する自身の考察を論文にまとめ、学会誌等への投稿を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、インタビュー調査に出かけることが難しい状況が続いているため。
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今後の研究の推進方策 |
先駆的活動に取り組んでいる福祉施設や学校関係者へのインタビュー調査を再開し、知見を得ることに努める。 当該研究の成果として論文を執筆し、学会誌などへ投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍によりインタビュー調査を実施することや、研究会開催を頻繁に行うことが難しくなったため、次年度使用額が生じたから。次年度はインタビュー調査を実施しながら研究を遂行するとともに、論文執筆にも努めていく予定えある。
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