研究課題/領域番号 |
18K00211
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研究機関 | 京都市立芸術大学 |
研究代表者 |
吉岡 俊直 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 准教授 (80329870)
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研究分担者 |
村上 史明 筑波大学, 芸術系, 助教 (30512884)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | フォトグラメトリー / photogrammetry / 写真測量 / 芸術表現 / 3DCG / アニメーション |
研究実績の概要 |
研究初年度は、研究に必要な物品の調達から始まり、フォトグラメトリー撮影システムの構築を中心に行った。デジタルカメラを精密に制御するにあたっての問題点解決に取り組んだ。 データの転送について。当初、それぞれのカメラはUSB3.0規格のネットワークでパソコンと接続したが、3.0の仕様上、認識する台数が限られていた。この規格を変更することで、認識デバイス数が増え、すべてのカメラを認識させる事ができた。2、シャッターのシンクロ。全台のカメラに対して同時にシャッターを切るため、電気信号を50分波できるコントロールボックスを制作。3、データ転送速度、撮影された画像をリアルタイムにパソコン位取り込むには転送速度が足りず、連写すると収集される写真に取りこぼしが発生した。そこで、カメラのメモリーに一旦保存し、追っかけるように、随時、パソコン内にデータを転送するシステム構築。これによって、連写を行なっても、データ転送の遅延によって取りこぼす画像がなくなった。 昨年度は、6回のスタジオ撮影と、3回の試験的な人物撮影を行なった。基本的な撮影ができ3次元計測のおおよそ良好なデータが得られる環境は整った。また、この研究の要素でもある。可搬性を検証すべく、撮影場所をその都度変え、機材一式の搬送、設置のノウハウを培った。今後、バリエーションを更に与えた撮影条件を設定し、より詳細なデータの収集に取り組む。また、フォトグラメトリーの解析でエラーが出やすい、黒髪や白い衣装について、レーザーの点群を照射するなどを試みたが、点群の数が足りず、精度にばらつきが出た。その後レーザー光源のプロジェクターでランダムパターンを照射することで、座標認識の精度を上げる実験をスタートさせた。今年度は、中間報告として、研究発表の機会を持てることが決まった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は初年度に物品購入のほとんどが費やされ、その研究機器を使って、2年目3年目に調査研究へ取り組むという大きな流れがある。よって初年度の物品の金額が大きく、入札、業者選定、商品調達を経て、納品。機材が揃ったのが7月ごろ。それからセッティングが始まったので、どうしても初年度特有の状況として、研究の時間が圧迫されたことは否めない。しかし、その後の研究で直面した問題は、概ね解決し、当初の計画に準じたところまで進んだと考えている。今年度は、設備を年度始めから活用し、研究を加速させてゆく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の研究基盤は整った。フォトグラメトリー撮影環境、基本的な3次元情報の生成。可搬性の担保。などが整備できたので、今年度は、カメラ、ライティング、生成のアルゴリズムの組み合わせがどのように関係しているのかをデータに取り、精度向上の客観的なデータ収集を中心に行う。また、そういった基礎的なデータ収集と並行して、新たな精度向上のシステムを開拓すべく、以下の取り組みを行う。 1、レーザープロジェクターによるマーカーの照射。黒い髪の毛や白い服など、表面情報が捉えにくい対象物にパターンを照射することで擬似的な模様を表面に施す。2、計測範囲の拡大。対象物の後方に大型のミラーをL字に設置し、側面、背面の計測も同時に行う実験。原理的には4倍の視点から捉えた情報が得られる。3、HDR(ハイダイナミックレンジ)での写真撮影を自動化させ、暗部明部のつぶれを軽減させる。 昨年度は、室内に限って可搬性の試験を行なったが、今年度は、野外での撮影も行う予定である。そのためには、全機材がバッテリー駆動である必要性があり、その実用性も検証したい。また、本研究の主たる目的である動画の撮影から3次元計測し、時間軸を伴った3Dデータ、4Dデータの生成に取り組む。まずは、少ない台数のカメラで試験的に撮影し、動画から1フレームのズレもなく静止画が書き出せるのかを検証する。また、レンダリング時間は飛躍的に伸びると思うのでその実用性も、検討事項の一つになる。9月には、中間発表として、研究機関管轄のスペースで、研究報告を行う予定である。研究を簡潔にわかりやすく掲示し、その成果を一般の方にも体験していただくための、市民参加型のワークショップを企画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
全体の予算や次年度の予算に対しての51,739円は、前倒しで執行せずとも、今年度の研究データを精査し、次年度の購入物品、使途を明確にした上で、次年度の使用とした方が合理的と判断した。また、初年度、執行予定の機材などはすべて予算書どうり購入したので、次年度のへの繰り越しは、予算書作成時の価格と、購入時の入札による価格差ともいえる。
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備考 |
2019年8月31日~9月16日 京都・京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAにて「複眼と対象のノード」展開催。フォトグラメトリースタジオを設置し、本研究の中間発表を行う。計測成果をパネル展示。研究内容のプレゼンテーション。体験型ワークショップ。それらを取りまとめた記録誌を制作。 http://gallery.kcua.ac.jp/2019/?category=exhibitions#ja
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