| 研究課題/領域番号 |
18K00216
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| 研究機関 | 獨協大学 |
研究代表者 |
秋野 有紀 獨協大学, 外国語学部, 准教授 (30708590)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | ドイツの文化政策 / アメリカの文化政策 / 連邦制 / 分都型 / 協調的文化分権主義 / 州政府と連邦政府 / 政府間連携 / フィランソロピー |
| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、文化政策研究で国際的に使用されてきた従来の制度分類(「中央集権型」「地方分権型」「民間主導型」)を批判的に再検証することにある。 本年度は、ドイツに関しては引き続き、連邦政府の文化政策の制度変更の背景・実情・連携のあり方を聞き取りによって明らかにした。それとともに、主に米国の公的な文化政策と民間支援との相互補完関係に重点を置き、研究を進めた。近年、日本のみならず各国で、公的文化政策のあり方が刻々と変化している。1つのキーワードは、分権や地方創生(地方小都市の活性化)、もう1つのキーワードが寄付制度である。そのため、公的文化政策に限定しすぎることなく、米国とドイツ、日本の文化政策を多元的、包括的に捉えていく方が、現状に即した研究に発展すると考えた。 そのような考えのもと、本年度は①米国の公的文化政策の現状(国、都市)、②根拠(法的、歴史的)、③民間文化支援の由来を重点的に調べた。①については、ワシントンD.CでNEAの専門家会議に出席し、担当者との意見交換を行った他、ニューヨーク市の公的文化支援の現状について、資料調査を行った。米国は公的文化政策は手薄で民間支援のみによって芸術文化が支えられているという一般的なイメージとは異なり、欧州でも手厚い自治体文化政策の上位都市と同規模の予算を持っている都市があることなど、新たな発見があった。②については、建国時の文化政策の議事録をワシントンD.C.の議会議事堂で収集した。また、公的文化支援に関する代表的な判例の資料を、コロンビア大学ロースクールおよび国際公共政策大学院の図書館で多数収集することができた。③については、公的な政策との関係も含めてカーネギー・ホール、ナショナルギャラリー、アメリカン・バレエ・シアター、スミソニアン研究所で聞き取りと資料収集を進めた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、在外研修期間であったこともあり、現場で多くの関係者の話をききつつ、資料収集も大いに進めることができた。集めた資料全てに目を通すには、まだ時間が必要ではあるものの、これまで私が主に接してきた欧州での文化政策研究と、北米圏での文化政策研究では異なる関心やアプローチを採用していることも分かり、新たな発見も多かった。そのため、今後の研究を発展させる上で、おおむね順調に進展したと考えている。
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| 今後の研究の推進方策 |
来年度は、COVID-19の感染拡大による海外渡航制限がどれだけ緩和されるか等、現地調査については未確定な状況にあるものの、本年度に集めた多くの一次資料の分析を先に行うなど、出来る範囲のことを優先的に進め、可能な限り研究を先に進めることを計画している。
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