戦後における「平和」の造形について、沖縄に設立された慰霊碑をはじめとするモニュメントを中心に調査を行い、そうしたモニュメントと美術家の関わりについて分析を行った。ひめゆりの塔や健児の塔など、沖縄における学徒戦没者を祀る慰霊碑には沖縄県内の美術家の関与があることは既に判明しているが、本土の側で設立された慰霊碑にも、例えば広島の塔には圓鍔勝三が関わっているなど、同様な事象も確認できる。こうした慰霊碑の造形と社会的な背景について分析を行った。また、当初は南方地域の慰霊碑の調査を行う予定であったが、コロナ渦の影響でそれが叶わず、代替として戦後における原子力イメージの変遷についての研究も行った。
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