最終年度からコロナ感染症の影響で延長した1年であった。本研究開始年次より開発してきた対話型コンテンツのワークショップを、地域の親子を対象として屋台型アートツールの活用とともに実践していく計画であったが、感染症流行により対面による実践が難しい状況が続いた。 地域フィールドワーク活動に制限がある状況下での、本研究におけるオンラインを活用した実践において、これまでの研究活動で研究協力者や機関とは信頼関係が築かれた間柄であり、オンラインでの実施に当たって打ち合わせ等に支障がなかったこと、また、遠方からの参加者の存在はこれまでにない特徴であったことなどの社会背景を含めた本研究の成果は、2021年5月に日本保育学会第74回大会でのポスターセッション、7月にはPacific Early Childhood Education Research Association (PECERA) でのポスターセッション、11月に開催された愛知県造形教育研究協議会シンポジウムにて現職教員対象に口頭で発表することができた。 他にも、この研究課題の掲げる「対話型コンテンツの開発」の点においては、オンラインや屋外での開催に向けた検討や、屋内においてもI C T機器を用いるなどの、新たな視座での着想や教材開発を行ったことなどを総括する展覧会を、2021年12月にコンテンツ開発の拠り所となった地域コミュニティ資本(商店街)を有する岐阜市内のギャラリーにおいて開催することができた。 同時に、共同研究者らと企画した地域に暮らす一般市民を対象としたワークショップと自主シンポジウムも開催し、これまでの研究成果の還元を試みた。結果、「地域コミュニティ資本の活用」という本研究の目的が具現化したといえる会となった。この様子は現在、リーフレットとして編集し、今後のフィールドワーク先や関係機関などに配布する予定である。
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