研究課題
基盤研究(C)
本研究では、国際美術展「ドクメンタ」における芸術監督制とその形成過程を考察した。コロナ禍での海外渡航制限期には主にインターネットでの資料調査に従事し、展覧会カタログや先行研究論文、雑誌記事などの文献資料を分析した。渡航制限緩和後は、本展の資料館「ドクメンタ・アーカイヴ」での調査を行い、運営会議録などを検討した。研究を通して、展覧会創設初期におけるアーノルド・ボーデが広範な業務に従事していたことが明らかとなった。彼の活動が本展における芸術監督のロールモデルを形成していたことを確認した。
アートマネジメント
本研究を通して、ドクメンタにおける芸術監督の権限の広範さとその歴史的背景を確認した。世界各地で数多くの国際美術展が開催されるなかで、ドクメンタがいまだ独自の地位を確立できている要因のひとつにはその芸術監督制がある。展覧会の類似や画一化が指摘されるなかで、本研究は、国際美術展の企画運営における芸術監督制のひとつのあり方を提供する。