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2020 年度 実施状況報告書

多角的視点から伝統技法「截金」の起源を追う

研究課題

研究課題/領域番号 18K00228
研究機関東京藝術大学

研究代表者

並木 秀俊  東京藝術大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (00535461)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード文化財 / 伝統技法 / 古代ガラス / 保存修復 / 金箔 / 截金
研究実績の概要

今年度はコロナの影響を受け、海外での研究を進めることができなかったため、ロシア・モスクワで開催された「Glass along the Roads of Eurasia in ancient times and medieval period」での発表を中心に研究を進めた。この学会はシルクロードの文化圏の学会であり、本研究と関係が深く研究を発表するいい機会となった。
この発表では「A STUDY OF THE BEGRAM EWER 154:WITH EMPHASIS ON ITS CUT GOLD LEAF AND BLACK PAINT DECORATION」という題目で共同研究者の藤井が口頭発表をし、海外の多くの研究者から高評価を得たと考える。
アフガニスタン出土のべクラムの財宝と呼ばれる作品群の中にあるガラスの水差しを中心に行っている。ただ、この作品は表面の劣化が激しく現状では明快に金箔および截金の使用を確認することが困難であるが、実見調査と高精細カメラによる撮影画像から確認をしている。このような作品の状況からCGによる復元をすることでどういった作品であったかを明快にし、截金を研究者に伝えることができると考えデータによる復元を行った。この復元では、イギリスで古代ガラスの再現研究を行っているThe Roman GlassMakersのMark TaylorとDavid Hill氏が制作したものを、高精細3Dスキャニングしそのデータに金箔情報を添付し制作当初の美しい姿を研究者たちに見せることとなった。その他、今回の発表ではこの作品の図柄や文様についても言及した。Pierre Hamelin氏が1952年に載せた図から大きく修正した図を提示することで今後の研究者の資料となったと考える。本研究は学会誌に掲載される予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

海外調査を進めて研究を行う予定であったが、コロナの影響を受けてしまい進められない部分がでてきてしまった。計画で記載している日本につながるシルクロードの伝播をたどる研究については進めにくい状況になった。
しかし、これまでの研究で行ってきた調査研究があるので、3DCGによる復元を進めている。これまでにゴールドサンドイッチガラスを中心に約5点のCG再現を行っており同時に技術検証も行ってきた。この研究成果は破損や紛失がしやすい素材であるガラスにとっては有効な手段であり引き続き行っていく。

今後の研究の推進方策

今年度は昨年度から引き続き、昨今の世界的に蔓延しているウィルスの影響もあり海外での調査が本年度も難航することを考え、当初の予定から変更して進めている状況である。当初は他の作品の調査を踏まえた上での研究であったのだが、これまでに調査した作品を中心に、CGによる復元研究に重点をおいてより解りやすい動画の制作を試みるつもりである。CGの技術を駆使して截金とゴールドサンドイッチガラスという特殊技術の理解を深めやすくし、作品の所蔵する各美術館や博物館に提供できるようにしようと考えている。

次年度使用額が生じた理由

コロナの影響を受け海外調査が行えなくなり計画を変更することとなった。今後は渡航も困難になることを考慮して、3DCGの制作と学会発表(AIHV)を中心に計画を進めていく。現段階で学会はオンラインの予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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