研究課題/領域番号 |
18K00229
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
石田 美紀 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (70425007)
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研究分担者 |
Kim JoonYang 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (00749955)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 1990年代アニメ / 輸出 / 音声の現地化 / 声優 / ファン / 演技 / 受容 |
研究実績の概要 |
1990年代を代表する青年アニメのヒット作『新世紀エヴァンゲリオン』(1995)の韓国における音声の現地化についての調査を行った。 2018年9月、ソウルにて、研究分担者とともに、1996年に発売された韓国語吹替版ビデオに出演した声優と、それを視聴していたアニメ・ファンにインタビューをおこなった。声の演技者としての立場、そして視聴者としての立場の両面から、音声の現地化の一手法である吹替を考察した。2018年11月、東京にて、研究代表者は、韓国語吹替版を10代で視聴した韓国人視聴者に、韓国語吹替版の印象と、日本語版の印象、そして両者から感じた差異についてインタビュー調査を行なった。 以上、ソウルと東京における調査から判明した1990年代の韓国における声優の声の受容と、日本における声優の声の受容の差異について、研究代表者は2019年3月にスペインのビゴ大学にて開催されたアニメに関する国際シンポジウムAnime. Una perspectiva transdisciplinar.で発表した。その際に、スペイン、スウェーデンをはじめとする海外のアニメ研究者から、今後の研究方針についての有益をコメントが得られた。 さらに、研究代表者は、アニメの声に関する英語論文をドイツ、テュービンゲン大学刊行の査読付き学術誌IMAGE:Journal of Interdisciplinary Image Science、第29号に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
第一の理由として、ソウルにおいて『新世紀エヴァンゲリオン』韓国語吹替版に実際に出演した声優2名にインタビュー調査ができたことが挙げられる。 第二の理由として、ソウル及び東京における調査結果について、スペインのビゴ大学にて開催されたアニメについての国際シンポジウムAnime. Una perspectiva transdisciplinar.で発表し、スペイン、スウェーデンをはじめとするアニメ研究者から今後の研究を進める上で有益なコメントを得られたことが挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、シンガポールにおいて『新世紀エヴァンゲリオン』を中心とした1990年代のアニメの音声の現地化とその受容についての現地調査を行う。シンガポールは韓国とは異なるアニメ受容があるため、アニメ輸出状況と音声の現地化の関係について調査をおこない、韓国での結果と比較照合を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はインタビュー調査に傾注し、関連書籍の調査・収集が十全に行えなかった。2019年度は、前年度に計上した経費を使用し、関連書籍を収集を効率よく進める予定である。
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