研究課題/領域番号 |
18K00230
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
長岡 大樹 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 助教 (20456403)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 渡辺豊和 / 増田友也 |
研究実績の概要 |
渡辺豊和氏への聞き取り調査を実施し、口述記録を作成した。また龍神村民体育館、ウッディパル余呉、対馬豊玉町文化の郷、加茂町文化ホール、上湧別町郷土資料館、秋田市体育館、黒滝村森のこもれびホール、角館町立西長野小学を分析した結果、「伝説・神話・昔話」に着目する渡辺氏特有の設計方法を解明した。あわせて地域住民が愛着を持つ公共建築のつくり方について、その方法を一般化・普遍化し、深層心理学的な意味を解明した。 増田友也氏の現象学的空間論、特に『Ethnosの風景』について、深層心理学の観点から解明した。拙論『増田友也による建築空間の現象学的還元 厳島神社と未開民族の儀場における空間の自己同一的移行性と建築の仮設性』および『「図と地」の知覚構造と空間の生起 : 増田友也の思惟した建築のある風景』を参照しながら、建築空間の故郷性(故郷空間の所在と発現)について解明した。 増田氏の建築作品リストの充実化をはかった。徳島県鳴門市に現存する公共建築(特に鳴門市民会館と鳴門市庁舎)について考察した。鳴門市民会館の取り壊しに伴い、消えゆく建物に対する地域住民の愛着意識とその心理的構造について、地域住民への取材を通して考察した。 研究成果の総まとめ、周知の機会として、刊行予定の著作の執筆を進めた(次年度も継続)。著作資料として、北方騎馬民族、ユング・フロイトの心理学、北東北の縄文文明、古代石造建築、吉本隆明氏・磯崎新氏の著述等の文献を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していた現地聞き取り調査を十分行えず、進捗状況はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
渡辺氏本人、渡辺氏の公共建築を利用する地域住民への聞取り調査を実施予定。社会情勢により、現地での聞取り調査が十分行えない場合、電話取材等で代替する。
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次年度使用額が生じた理由 |
出張調査を延期したことにより次年度使用額が生じた。本年度その分の実施を計画中。
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