研究課題/領域番号 |
18K00237
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
徳永 崇 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (90326497)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 柴田南雄 / シアター・ピース / 合唱 |
研究実績の概要 |
本研究は、柴田南雄のシアター・ピース作品の「演出方法」について検証し、一般の団体が再演しやすいよう、手引を作成することを目的としている。そのため、複数の演奏団体に実演を依頼する必要がある。1年目となる2018年度は、研究対象とする演目の精査、及び演奏団体への依頼・交渉を行った。併せて、それらの作品の初演に立ち会った方々への聴き取り調査等を実施した。 まず、演奏団体との交渉においては、合唱団「ある」、合唱団「ぽっきり」、岩国混声合唱団に依頼することとなった。これらの団体は、作曲者の柴田南雄、及びシアター・ピースの初演を多く手掛けた合唱指揮者・田中信昭氏からの直接の薫陶を得たメンバーがいることと、アマチュアの団体であること、及び研究代表者の居住地に近いことなどから選出された。現時点の演奏曲目については、楽譜の出版されているものを優先したほか、柴田のシアター・ピース作品の原点ともいえる初期の作品を中心に選曲した。中期および後期の作品も適宜選曲している。演目は下記の通りであるが、交渉を継続し、追加する予定である。 《追分節考》(1973)、《萬歳流し》(1975)、《念佛踊》(1976)、《歌垣》(1983)、《みなまた》(1992) ※《北越戯譜》(1975)、《無限曠野》(1995)については交渉中。 併せて、2018年度は演奏のために必要な打楽器である「双盤」を、柴田南雄のご遺族のご協力の下、柴田の自宅から広島に移動した。また、「萬歳流し」の実演指導者として実績のある、元東京混声合唱団団員・森一夫氏から、実演に必要な情報を提供して頂いた。また、演奏の確定した団体のうち、既に練習を開始しているものもある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1年目となる2018年度は、2年目以降の実演検証の団体との交渉、及び演目の選出を中心に行った。その結果、合唱団3団体の協力を得て、現在5曲を演奏予定である。これらの作品は、シアター・ピース作品の初期のものが中心であり、中期及び後期の作品数は少ない。このことから、中期・後期より1作品ずつ追加するための交渉を行う必要がある。これについては現在継続中である。
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今後の研究の推進方策 |
1年間の調査の結果、研究対象とする演目の中には、民俗芸能の実演を必要とするものもあることが判明した。これらの実演が可能な団体は、地域の祭りなどで招集される形であるため、常設の団体ではなく、年度によって質も大きく異なるという。これについては、依頼した合唱団のコネクションを利用して、個人的な声掛けによる団員召集の可能性について検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本来は2018年3月に実施する予定であった合唱練習を、5月に延期したため。
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備考 |
研究者が発表を行った「日本音楽表現学会第16回(折り鶴)大会」のリンク。
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