本研究では、平安末期、藤原師長が編纂した雅楽の箏譜『仁智要録』および琵琶譜『三五要録』に載る、調子曲、催馬楽曲、唐楽曲・高麗曲・伎楽曲・風俗歌、その他の秘曲等、すべての曲譜を解読し、そして演奏・録音を行った。全曲演奏・録音により、当時の雅楽(催馬楽・風俗歌・伎楽など周辺ジャンルをも含む)の全貌が、具体化された。また、演奏・録音に際して、写本の校異を行い、またリズム構造・テンポの考察を行った。とくに当時の「只拍子」「楽拍子」のリズム構造の実態については、本研究独自の知見が得られ、演奏・録音に反映した。 録音のトラック総数は818、録音時間は27時間33分19秒におよんだ。
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