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2021 年度 実施状況報告書

「原子力の平和利用」キャンペーン:アイソトープと医学・生物学者の役割

研究課題

研究課題/領域番号 18K00253
研究機関総合研究大学院大学

研究代表者

飯田 香穂里  総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 准教授 (10589667)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード科学史 / 放射線 / 原子力の平和利用
研究実績の概要

本年度も感染症の影響により、海外での資料調査を行うことはできなかったが、昨年度に引き続き、国内で入手可能な資料をもとに分析を進めた。特に医学者の河石九二夫に着目し、彼が戦後広島で行った原子力の平和利用(医療応用)の推進が、戦前からの彼自身のキャリアや、広島の政治社会的状況の中でどう位置付けられるのかを考察した。戦時中に関しては彼の台湾での医学研究について(これまで発見できている日本の資料から)調査を行い、戦後帰国してからの時期では、広島大学や広島の医学発展に関して原爆傷害調査委員会とどのような交渉を行ったのかを手元にある米国の資料を中心に調べた。
また、放射線に関する医学・生物学的研究は、放射線影響のプラス面・マイナス面(平和利用や健康被害)に関わるものがあるが、どのような知識が生産されやすい、あるいは、生産されにくいのか、またどのような方法や知識が正当なものとされたのか、どのような知識がより着目・増幅され、どのような知識がその逆の扱いを受けたのか等について考察をすすめている。特に、広島の医学者の研究を題材に調査中である。不確実性が高くてもプラス面は大きく取り上げられた一方、害に関しては様々な理由から同等に強く主張することは避けられた。さらに害を示すための手法は多様だったが、そのうちのどの方法を「妥当」と見なすのかについてはコンセンサスがなかったことなどが明らかになってきた。
上記の異なる部分を、二つの国際学会(オンライン;米国History of Science Society、Association of Asian Studies)で発表した。現在、論文執筆中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度から新型コロナウイルス感染症の影響により調査を思うように行うことができていないため、最終年度の計画を次年度に持ち越すこととした。

今後の研究の推進方策

最終年度は、原子力の影響に関する知識生産について考察を続け、論文を書き上げる。国際誌に投稿を予定している。

次年度使用額が生じた理由

次年度は最終年度であるため論文を書き上げて国際誌に投稿する予定で、その原稿準備に必要な謝金、旅費、消耗品等で使用予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Atoms for Peace in Hiroshima: Kawaishi Kunio, the Atomic Bomb Casualty Commission, and the development of nuclear medicine in the bombed city in the 1950s2022

    • 著者名/発表者名
      Kaori Iida
    • 学会等名
      Association for Asian Studies
    • 国際学会
  • [学会発表] Studying biological effects of radiation: Contested collaborations of Japanese and American scientists in the bombed city Hiroshima2021

    • 著者名/発表者名
      Kaori Iida
    • 学会等名
      History of Science Society (HSS)-Society for the History of Technology (SHOT) joint meeting
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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