研究課題/領域番号 |
18K00258
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
望月 麻友美 大阪大学, 経営企画オフィス, 准教授 (10791733)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 研究戦略 / 研究力 / 社会課題 / コミュニケーション |
研究実績の概要 |
本研究では、社会課題解決を目指す研究推進の場において、政策と研究者との間にコミュニケーション、コンテクストギャップが存在すると仮定し、それが何かを明らかにすることを目指すものである。令和元年度末から引き続き、予定していた国内聞き取りおよび課題対象である欧地での現地調査と関係者との議論、対面での学会参加を実施することができなかった。そのため今年度は別アプローチで研究を実施した。社会課題に対してアカデミアの研究力が最大限に活かされるためには、そのアカデミアの研究力についての理解をすすめることが重要である。そこで、以前から調査していた豪州ERAや英国REFといった国による分野別の研究力評価やインパクト評価のシステムに注目し、本研究課題の視点で調査と考察を行った。 これらの評価システムは、どのような学術分野が優れているのかを可視化したりどういった研究があるのかを把握するためでもある。こういった可視化を実現させるためには、その手前に研究者の活動を何らかの区分分けをして把握するフレームの設定が必要である。ここではこのフレームに注目し、研究者も参画した分野区分分けや指標決めの議論とその結果、大学や研究者へのフレームの影響や意義を考察した。さらに、このようなフレームが未設定である日本との研究大学の比較を行った。次年度は、今年度の検討を踏まえ、インパクトの見える化や社会課題解決への期待、研究助成などを俯瞰して考察を進める予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和元年度後半から引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響により、本研究課題の最重要点である国内および欧州での関係者への聞き取り調査や学会等でのネットワーク構築を実施することができなかった。そのため、計画を改め、新たなアプローチからの分析に着手した。このことから、研究の遂行が遅れている状況にある。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の予定では、本研究課題は、現地聞き取り調査および議論の実施と学会参加を複数回実施することにより、深度のある議論を行うことを最重要点としていた。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響は今年度も継続すると予想されるため、実現は難しいと考えている。 そのため令和4年度は、令和3年度に行った分析をさらに深めるとともに、欧州のケースを融合させる。また、研究対象である社会的課題に関連した政策と後継の政策と比較分析を行い、政策で用いられる表現の変化への分析を行う。 そして、まとめとして大学としての研究力の把握と社会課題に対するアカデミアの貢献についての整理を行い、関係者との議論を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度は、令和元年度後半から令和2年度の間に新型コロナウイルス感染症の影響により、欧州現地調査や学会参加ができなかった。令和4年度は、関連書籍や解析ソフトの購入、成果発表への支出を予定している。
|