研究課題/領域番号 |
18K00268
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
斉藤 宗則 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 教授 (90399080)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 鍼灸 / 流派 / 用語 / 標準 / 特徴 |
研究実績の概要 |
世界保健機関国際統計分類(WHO-FIC)で採択された、初めて伝統医学の分類を導入した国際疾病分類第11版(ICD-11)が2022年1月に発効された。WHO-FIC年次総会で、国際医療用語集SNOMED-CT(Systematized Nomenclature of. Medicine-Clinical Terms)から、伝統医学の用語についての協力依頼が再度確認された。一方、ISO/TC249伝統中国医学専門委員会でも、ISOで定められた用語集作成のルールに基づいた用語集の規格策定を行うアドホックグループが活動を始めた。世界における伝統医学用語の策定・運用が始まった。一方、伝統医学では、主として日本・中国・韓国が近い用語・概念体系を用いているが、概念の違いについては、比較検 討の必要がある。それに加え、日本国内でも用語や概念の違いについては明らかになっておらず、国内の状況を整理した上で初めて国際対応が可能となる。選出した伝統医学の基礎理論の領域において候補となる用語500語のうち、前年度に引き続き蔵象の範囲の用語50語について、ISOの用語集作成のルールに基 づいて用語ツリー、名称、定義案を作成した。提議案は各用語のツリー内の位置を意識しながら概念の特徴をふまえたミニマムなものとし、下位の概念については上位概念との種差を示した。これらは、鍼灸教育等で用いられている共通の用語・概念であり、日本伝統鍼灸の各流派の用語はこれらを基礎として、その差異を明らかにすることで鍼灸臨床のベースとなる基礎用語の認識の特徴を明確にできる可能性につながる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナウィルス感染症により、業務の大幅な変更へ対応する必要があり、あまり研究を進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
各流派の協力も得ながら文献調査と特徴の検討を効率的に進め、その後は、Zoom等のオンライン会議システムを利用したインタビューに切り替えて実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症への対応のため、業務の大幅な変更を強いられ、研究への時間が捻出できなかったこと、および感染防止のため、実地調査を実施できなかったため。 デジタル機器やソフトウェア、およびオンライン会議システム等を利用し、感染症対策に影響しない範囲で使用していく予定である。
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