研究課題/領域番号 |
18K00282
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
中尾 友香梨 佐賀大学, 全学教育機構, 教授 (10441734)
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研究分担者 |
白石 良夫 佐賀大学, 地域学歴史文化研究センター, 客員研究員 (60137320)
三ツ松 誠 佐賀大学, 地域学歴史文化研究センター, 講師 (10712565)
日高 愛子 志學館大学, 人間関係学部, 講師 (20706741)
大久保 順子 福岡女子大学, 国際文理学部, 教授 (30259791)
沼尻 利通 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (90587635)
土屋 育子 東北大学, 文学研究科, 教授 (30437800)
中尾 健一郎 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (30511662)
亀井 森 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (40509816)
田中 圭子 広島女学院大学, 総合研究所, 研究員 (20435051)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小城鍋島文庫 / 和学知辺草 |
研究実績の概要 |
当初の計画どおり、夏期休業期(9月)に2泊3日の日程で佐賀大学附属図書館にて、小城鍋島文庫蔵典籍に対して書誌調査を合同で実施した。研究代表者、研究分担者、研究協力者が、一堂に集って、それぞれの専門分野の書籍の調査を行った。 その後、各自が調査した結果にもとづいて解題稿を執筆した。解題稿の内容を研究会にて検討し、議論・修正を経て、「小城鍋島文庫蔵書解題稿(四)」として『佐賀大学全学教育機構紀要』第8号(2020年3月)に発表した。昨年度までに「小城鍋島文庫蔵書解題稿(一)」「同(二)」「同(三)」をすでに発表しており、今回の成果はこれを継ぐものである。残りの典籍に対して今後続けて調査を実施し、解題稿を順次発表していく予定である。蔵書印データベースも基礎作業を終えたところである。 また、当初の計画どおり、基本的に毎月1回研究会を開き、当文庫蔵書のひとつで他に伝本が存在しない『和学知辺草』の翻字と輪読を行った。その成果として、まず計3巻のうち上巻を「小城鍋島文庫蔵『和学知辺草』翻刻稿(上)」として佐賀大学地域学歴史文化研究センター『研究紀要』第14号(2019年9月)に発表した。 なお、10月から12月にかけては佐賀大学地域学歴史文化研究センターと佐賀県小城市教育委員会による「京の雅と小城藩」展示会(会場 小城市立歴史資料館)の開催、図録の作成、講演会の開催などに協力し、これまでの研究成果を地域社会に広く報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者、研究分担者、研究協力者が各自の役割をしっかりと果たし、互いに協力しながら当初の計画に沿って研究を進めた結果である。すべてのメンバーがそれぞれの専門知識を生かして充分に力を発揮した。
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今後の研究の推進方策 |
①計画どおり、毎年夏季休業期に2泊3日の日程で小城鍋島文庫蔵書に対して合同の書誌調査を実施する。調査結果にもとづいて、メンバーらがそれぞれの専門分野の書籍について解題稿を執筆し、研究会で議論・検討・修正を行う。その成果を順次発表していく。最終年度にはそれらをまとめて解題目録を作成し、刊行を目指す。 ②蔵書印データベースを作成する。これを奥書・識語・書入等の情報と併せて分析することにより、個々の書物の来歴を可能なところまで明らかにし、文庫蔵書形成の過程を追う。 ③内閣文庫蔵『元小城県興譲館所蔵目録』と比較することにより、小城藩主と藩校の蔵書が近代化の荒波の中でどのように変化し、また継承されたかを解明する。 ④これまでと同じく、毎月1回研究会を開き、『和学知辺草』の翻字と輪読を続ける。さらに註釈を施し、最終的に『和学知辺草』の翻字と註釈を1冊にまとめて刊行することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の所属機関に研究分担金が配分されたのが7月頃であったので、一部の研究分担者はそれまでの旅費を他の研究費から捻出していた。また研究分担者や研究協力者が仕事の都合等により、必ずしも毎月の研究会に全員出席できなかった。これらのことにより、旅費に未使用額が生じた。 未使用額は以下のようにに使用することを計画している。①これまで月1回の研究会で翻字と輪読を進めてきた小城鍋島文庫蔵『和学知辺草』の翻字・註釈稿を1冊にまとめて出版し、研究成果を広く世に問う。そのための調査の旅費、参考書の購入、出版費用等にあてる。②研究協力者のうち1名が県外の研究機関に研究者として正規に雇用され、新年度から研究分担者になる予定である。毎月の研究会に参加するための旅費にあてる。
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