| 研究課題/領域番号 |
18K00284
|
|---|
| 研究機関 | 熊本県立大学 |
|---|
研究代表者 |
大島 明秀 熊本県立大学, 文学部, 准教授 (50508786)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
| キーワード | 和本 / 写本 / 漢籍 / 蘭書 / 書誌 / 蔵書印 / 肥後 / 熊本 |
|---|
| 研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、新型コロナウイルスの感染流行が継続したため、当初予定の調査回数を果たすことができなかった。ただし、夏頃から状況を注視しながら調査可能な機関で数回調査することができ、また、これまでに発見した資料や得られた知見に基づく成果発表の機会を探った。
まず、熊本博物館蔵の和本については、昨年度進めていた医師・村田三節旧蔵の和本（古医書）コレクション145冊の目録（45頁）を2021年8月に発行した。さらにその発刊作業と並行して、5回程度博物館での調査を果たし、前原健太郎旧蔵和本（古医書）目録の作成に取り組んだ。当該目録は既に完成間近まで仕上がっているが、最終チェックをした上で次年度に発表を予定している。
次に、熊本大学図書館蔵の菅野是正旧蔵蘭書については、大学関係者以外の入館禁止が継続しているため、今年度も調査を果たすことができず、仮目録を入力したところから進んでいない。ただし、これまでに得られた成果をもとに、菅野文庫にはどのような種類の蘭書が存在し、どのような目的で集めたかについての知見を、2022年5月刊行予定の『蘭学の九州』（弦書房） に織り込んだ。
最後に、後藤是山記念館蔵の写本については、1年間調査を果たせなかった。よって、昨年度までに採録した150点の資料の未解読であった個所を改めるなど目録の整理・改訂を進めた。また、その他の成果として、高島流砲術の写本である平川清古『波意蘇児記 莫爾智児記』（1850）を発見し、上記『蘭学の九州』（弦書房）の中で、画像を付けて紹介した。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染流行が継続したため、当初に予定していた調査回数を果たすことができなかった。状況を注視しながら夏頃に数回調査することができ、少し進めることができた。
まず、後藤是山記念館蔵の写本については、10回程度の調査に基づいて90%あたりまで目録採録を行う予定であったが、調査を行えず、前年度と変わらない進捗状況となった。
次に、熊本博物館蔵の和本については、村田三節旧蔵の和古書（古医書）コレクション（145冊）の目録を発刊し、さらに前原健太郎旧蔵和本（古医書）コレクション目録もほぼ完成に近いところまで仕上げた。
最後に、熊本大学図書館蔵の蘭書については、大学関係者以外の入館が禁止されていたため、調査を果たすことができず、仮目録を入力したところから進んでいない。
|
| 今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの感染流行の状況を注視し、これまでと同様に、所蔵機関と入念に対応を相談しながら、引き続き調査を行う。
まず、後藤是山記念館蔵の写本については、今年度は10回程度の調査と、それに基づいて90%あたりまで目録採録を行う予定としている。
次に、熊本博物館蔵の和本については、前原健太郎旧蔵和本（古医書）コレクションの目録を発表する。それに引き続いて、草野幸次旧蔵の和本コレクションの調査に取り掛かる。
最後に、熊本大学図書館蔵の蘭書については、学外者の入館が解除されたところで調査を行う予定である。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染流行につき、国外・国内での書誌調査を断念せざるをえなかったため。また、調査の遅れに伴い、目録発行費用などもかからなかったため。
|
