2021年度は、2021年7月に長崎歴史文化博物館に論文に掲載する資料の引用箇所の最終チェックのために文献調査に赴いた。この出張にて、研究費はほぼ全額を執行し終えた。 研究成果としては、「対馬厳原市街地の神功皇后「三韓出兵」関連神社の縁起説と現況について――前編(「三韓出兵」往路編)――」を中京大学『文学部紀要』第56巻2号(2022年3月刊)に発表した。この論考は、過去の論考でも扱った厳原市街地の神功皇后「三韓出兵」往路に関わる縁起説を持つ神社(宝満神社・浜殿神社・与良石社・白石社の4社)の縁起説について、対馬島内で編纂された文献を主として改めて精査・研究し、且つ2020年12月の実地踏査にて行った各社の現況調査の結果を、写真も掲載しつつ公表したものである。 また「対馬厳原市街地の神功皇后「三韓出兵」関連神社の縁起説と現況について――後編(「三韓出兵」復路編)――」も執筆した。厳原市街地の神功皇后「三韓出兵」復路に関わる縁起説を持つ神社(厳原八幡宮神社・宇努刀神社・金倉神社・志賀神社の4社)の縁起説について、「前編」同様に対馬島内で編纂された文献を主として改めて精査・研究し、2020年12月の実地踏査にて行った各社の現況調査の結果をも、写真付きで公表するものである。特に金倉神社・志賀神社は、過去の論考では見落としていたものであり、本論考で触れたことは意義の大きいことと思う。既に脱稿・投稿済みで、中京大学『文学部紀要』第57巻1号(2022年9月刊予定)に掲載予定である。
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