研究課題/領域番号 |
18K00302
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
池田 昌広 京都産業大学, 外国語学部, 准教授 (70633288)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 守覚法親王 / 顕昭 / 袖中抄 / 大観本草 / 平基親 / 往生要集外典抄 / 南宋 / 資治通鑑 |
研究成果の概要 |
本研究は、鎌倉時代初期に仁和寺第6代御室をつとめた守覚法親王の蔵書を復元し、そのうちに中国南宋の出版文化の影響の如何を明らかにしようとするものである。調査の結果、南宋刊本の『経史証類大観本草』を所蔵したことがほぼ明らかになった。そのいっぽう、宋で頻繁に印刷刊行された『白氏六帖事類集』は鈔本しか所蔵していなかったらしいことも明らかになった。このような蔵書の構成から、守覚の活躍した12世紀後半において、南宋出版物の日本流入はなお限定的であったという結論をみちびいた。
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自由記述の分野 |
東洋史学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
古代から中世への変革を文化史の視点から見た場合、変革の要因に南宋出版物の受容を数えることは是認されよう。南宋期は商業出版が盛行しはじめた時期であり、中国国内における書籍の数量は格段に増加した。くだんの増加は日宋貿易を介して直截的に日本の漢籍輸入量に影響したはずだ。ただ、当代有数であった守覚の文庫を例にすれば、12世紀後半において南宋出版物の流入はなお限定的と考えざるを得ない。南宋の出版物が本格的に日本に流入するのは13世紀になってからと考えられる。
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