研究課題/領域番号 |
18K00305
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
橋本 正俊 摂南大学, 外国語学部, 教授 (30440655)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 神詠 / 古今集注釈 / 中世神話 |
研究実績の概要 |
本研究では、特に院政期から鎌倉時代、さらには室町時代をも視野に入れ、中世に神詠が大量に出現し、さらに多様な解釈が展開した動向を明らかにする。 2020年度は、2019年度までの研究を継続し、研究実施計画に沿って、以下の三点について研究を進めた。 第一に、中世の和歌、学問、思想を考える上で重要と思われる神詠の整理である。対象として、「中世に新たに創出された神詠、及び神詠説・説話」「従来知られた歌の作者に神を当てた神詠、及び神詠説・説話」がある。さらに「記紀神話に見られる神詠をめぐる解釈」も加える。これらについては、コロナ禍により、諸機関に赴いての資料調査が困難であったため、国文学研究資料館や天理図書館など限られた機関での資料収集となった。そして、収集した資料をもとに、神詠と、その神詠をめぐる言説・説話について整理を進めた。成果は最終年度にまとめて発表する予定である。 第二に、ある和歌がどのように神詠として形成され、解釈が展開したのかを分析することである。第一で整理した神詠のうち、いくつかにおいて資料をもとに分析を進めた。この成果の一部として、古今集の「いざここに」歌について、「古今集「いざここに」歌と天神御詠説―室町期天神信仰の一端―」と題して関西軍記物語研究会において研究発表を行った。この他の成果についても、最終年度にまとめて発表する予定である。 第三として、中世に神詠が果たした役割について成果をまとめることである。最終年度に向けて作業を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により、図書館や資料館など、資料所蔵機関の多くが閲覧停止となったため、予定していた資料調査や研究発表ができず、計画が遅れることとなった。そのため、研究期間を一年延長することとした。
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今後の研究の推進方策 |
今年度もコロナ禍の影響は避けられないが、これまでに収集した資料をもとに整理、分析を進め、研究成果をまとめることを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大により、予定していた資料調査出張や学会参加を実施できなくなったため。今年度も同様の状況が続くことが予想されるため、設備を整えて成果をまとめる作業を中心に進める。
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