研究課題/領域番号 |
18K00316
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
飯田 祐子 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (80278803)
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研究分担者 |
中谷 いずみ 二松學舍大學, 文学部, 准教授 (10366544)
笹尾 佳代 神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (60567551)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 左翼文化運動 / プロレタリア文学 / ジェンダー / セクシュアリティ / 階級 / インターセクショナリティ / 女性 |
研究成果の概要 |
本研究では、左翼文化運動にジェンダーおよびセクシュアリティの力学がいかに組み入れられているか、1930年代のプロレタリア文学を対象として分析した。左翼運動では階級を軸として理論や実践が組み立てられ、研究もまた階級を主要な枠組みとして蓄積されしてきた。しかしながら、運動は一枚岩ではなく、内部には中心と周縁があり、中心は周縁との差異化によって生成されている。その構造に注目し、中心と周縁の差異化の際にジェンダーやセクシュアリティの力学が機能していることを論じた。研究成果は、11章で構成された『プロレタリア文学とジェンダー――階級・ナラティブ・インターセクショナリティ』(青弓社、近刊)として刊行する。
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自由記述の分野 |
日本近代文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、階級という力学と、ジェンダーやセクシュアリティの力学がいかに交差しているかを明らかにした。また階級を重要視する一方で軽視されてきた周縁の問題群や、周縁の担い手であった女性の存在を可視化し、それらの構成的外部としての重要性を指摘した。総じて、左翼文化運動をインターセクショナリティの観点から分析したものとして、従来の左翼文化運動分析に新たな知見をもたらすものといえる。具体的には、愛情や性、家族やケアに関わって構成されるナラティブの機能を問うており、現在社会の分析にも接続可能である。
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