研究課題
基盤研究(C)
当初の研究計画に基づき、道成寺文書の調査を遂行した。ただし、研究期間内に全点の調査・目録化を行なうまで至らず、引き続き、継続的な調査を行なう。道成寺文書に関連する研究成果としては、著書(分担執筆)1件、短報1件、学会発表(単独)1件(2021年度中に査読付き論文として公開予定)を公にした。一方で、粉河寺・加太向井家(旧伽陀寺)・七宝瀧寺・神於寺など、葛城修験にかかわる諸寺について調査を行ない、その成果を学術論文および展覧会およびその図録として公開した。
日本文学
第1に、本研究によって、学界および地域社会に向け、その存在と意義を新たに紹介しえた文化財が複数ある。いずれも、地域史・宗教文化史研究および国文学研究において有意義な資料である。第2に、特に道成寺文書群を分析することによって、重文『道成寺縁起』の前段階に(たとえば耕雲のような)臨済宗法燈派による縁起制作(改作・新作)が想定されうること、さらには法燈派と葛城修験との関係についても新たな知見を提示しえた。