研究課題/領域番号 |
18K00332
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
水谷 隆之 立教大学, 文学部, 教授 (60454500)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 日本近世文学 / 浮世草子 / 俳諧 / 西鶴 / 北条団水 |
研究実績の概要 |
研究最終年度(4年目)として予定していた今年度は、これまでの調査・研究成果をとりまとめるべく西鶴とその周辺の作者の俳諧ならびに浮世草子に関する研究を進めた。しかし、当初予定していた国内外における資料調査が新型コロナウイルス感染症流行の影響を受けて不可能となったため、予定を一部変更し、すでに収集済みであった資料の分析を中心に行った。 浮世草子については従来作者未詳とされてきた『西鶴冥土物語』(1697年刊)について考証した。本書に同じく作者未詳とされていた『好色破邪顕正』(1687年刊)についてはすでに団水作として確定してあり、これを軸に、両書における好色本批判の共通性を指摘したほか、『俳諧特牛』(団水著、1690年刊)等における俳論や引用書との共通性、本書の版元である長谷川伝兵衛と団水との関係をも示すことにより、本書を団水作として認定したものである。なおこの研究成果は論文「西鶴没後の浮世草子―『西鶴冥土物語』の作者をめぐって―」(『日本文学研究ジャーナル』第21号、古典ライブラリー、2022年3月)として発表した。 その他、近世初期の源氏物語絵巻と俗文芸の関係をめぐる論文を執筆し、近時刊行予定である。 なお冒頭に記したとおり、昨年度に続き今年度も新型コロナウイルス感染症流行の影響を受け、研究課題の遂行のために必要となる資料調査が滞り、成果のとりまとめ及びその発表が遅れた。これに伴い、本研究期間を次年度まで1年延長して本課題を継続することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、当初予定していた国内外における資料調査が滞っており、本研究課題の遂行ならびに成果発表が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
十分に資料調査を行えなかったため、研究期間を1年延長した。新型コロナウイルス感染症の影響が解消されると同時にこれまで滞っていた資料調査を再開し、当初予定していた本研究課題を遂行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症流行の影響を受け、予定していた国内外における資料調査が実施できなかったため。次年度は資料調査旅費のほか、図書購入、データ整理のための雇用費として主に使用する予定である。
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