研究課題/領域番号 |
18K00348
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
矢田 尚子 東北大学, 文学研究科, 教授 (10451494)
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研究分担者 |
塚本 信也 東北学院大学, 教養学部, 教授 (00275603)
狩野 雄 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (80333764)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 漢代楚辞作品 / 「惜誓」 / 「七諫」 / 「哀時命」 / 「九懐」 / 「九歎」 / 「九思」 / 「招隠士」 |
研究実績の概要 |
令和3年度は、昨年度に引き続き、国内外で新型コロナウイルス感染症拡大防止対策が断続的に実施される状況の下、計画の遂行には困難が伴った。9月12日に第1回例会をオンライン方式で開催し、塚本は「楚辞文芸という共同体について」、狩野は「香る荀令君――詩文のなかの荀彧像」、上原は「王褒「九懐」三探」、矢田は「楚辞「惜誓」訳注について」という題目で報告を行った。また、各自の訳注稿作成の進捗状況を報告するとともに、研究計画に遅延が発生していることを確認した。新型コロナウイルス感染症拡大防止対策が継続されることにより、研究環境の速やかな改善が見込めず、年度内の遅延解消は困難と判断し、研究計画の延長申請を検討した。11月に中国湖北省シ帰で楚辞学国際学術研究討論会・中国屈原学会第19回年会の開催が予定されていたため、矢田はオンラインで研究発表を行う予定であったが、中国側の新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のために開催は何度か延期され、最終的に年度内の開催は見送られた。上原は「宮廷文学としての王褒「九懐」」と題する学術論文を、矢田は「楚辞「惜誓」訳注」を、『東北大学中国語学文学論集』第26号に投稿し、同雑誌は12月末に刊行された。令和4年1月に改めて各メンバーの作業進捗状況を確認し、計画の遅延が解消されていないことから、研究計画の一年延長を決定し、申請手続きを行った。3月17日に第2回例会をオンライン方式で開催し、塚本は「曹道衡『困学紀程』を読む」、上原は「宮廷文学としての王褒「九懐」」、矢田は「楚辞「哀時命」の遊戯文学的側面について」という題目で研究報告を行った。また、訳注作成の進捗状況を報告しあい、作業の途中で浮上した疑問点を検討した。加えて、研究計画の延長申請が認められた場合の次年度研究計画についても議論し、最終的な成果発表に向けた計画を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
矢田は、担当している淮南小山「招隠士」・賈誼「惜誓」・厳忌「哀時命」・東方朔「七諫」のうち、「惜誓」の訳注と研究論文はすでに、学術雑誌に投稿済みである。また、「哀時命」の訳注と研究論文もほぼ完成させ、学術雑誌への投稿準備に入っている。現在は、引き続き「七諫」「招隠士」の訳注および研究論文の作成を行っているが、研究計画の遂行にやや遅れが生じている。 研究協力者の上原は、担当している王褒「九懐」の研究論文をすでに学術雑誌に投稿し、現在は、訳注作成の最終段階に入っているため、研究計画の遂行は順調である。 劉向「九歎」担当の狩野と、王逸「九思」担当の塚本は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に伴う勤務先の業務の激増などにより、訳注作成が滞っており、計画の遂行は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度前半は、前年度に引き続き、メンバー各自で訳注作成作業および作品研究を進める。メンバーの役割分担に変更はない。この間の連絡手段としては、これまで通り、適宜メールやGoogleドライブ等を活用し、情報の共有をはかりつつ、計画の順調な実施を目指す。 9月もしくは10月上旬に第1回例会を開催し、各自の研究成果報告を行うとともに、年度前半の研究進捗状況と後半の研究計画を確認する。 令和5年3月に第2回例会を開催し、5年間の研究期間を通じての計画実施と成果を振り返り、最終報告書を作成する。また、時期は未定ながら、中国湖北省シ帰で楚辞学国際学術研討会・中国屈原学会第19回年会の開催が予定されているため、研究成果の一部を発表できるよう、各自で準備を進める。研究成果の公開としては、他に、学術雑誌への投稿、国内学会における口頭発表などを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、令和3年9月の第1回例会、10月上旬の第2回例会、令和4年3月の第3回例会開催を予定し、国内旅費を計上していたが、新型コロナウイルス感染症防止対策のために全てオンライン開催となった。また、11月に中国湖北省シ帰で開催される予定であった屈原及楚辞学国際学術研究討論会・中国屈原学会第19回大会への参加のため、海外旅費を計上していたが、同学会は延期され、最終的に開催されないこととなった。以上の理由により、当該年度の実支出額が当初の予定を下回った。 次年度は2回の例会開催と、開催時期は未定ながら国際学会参加を予定している。対面での開催が可能な場合には、例会・国際学会参加の旅費に充てる。
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