研究課題/領域番号 |
18K00358
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中村 みどり 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (30434351)
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研究分担者 |
高橋 俊 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (10380297)
中野 徹 近畿大学, 文芸学部, 准教授 (20610512)
杉村 安幾子 日本女子大学, 文学部, 教授 (50334793)
齊藤 大紀 富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (70361938)
中野 知洋 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (70372638)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 中国近代文学 / 半植民地都市 / 知識人 / 労働者 / 大連 / 青島 |
研究実績の概要 |
本年度は、6月に近畿大学東大阪キャンパスにて国内研究例会を開き、研究代表者および分担者全員が出席し、各自研究計画について発表を行った。またゲストスピーカー3名を招聘し、高尾有紀氏(奈良女子大学大学院博士課程)の研究報告「沈従文「三三」における語りと〈小爺〉」のほか、奥野行伸氏(近畿大学等非常勤講師)に講演「雑誌『希望』について」、今泉秀人氏(大阪大学)に講演「郷下人と原郷人─沈従文・鍾理和比較研究」を依頼し、国語教育問題、ジェンダー意識の変遷や戦時下における言論活動など、1930~1960年代の中国語圏文学について多様な角度から検討を行うことができた。
夏期の合同調査出張として、9月に中国東北部の大連を訪問した。旧市街の中山広場・南山麓周辺の旧満鉄関連建築物(旧満鉄本社=満鉄旧址陳列館、旧満鉄図書館=大連市図書館魯迅路分館、旧満鉄宿舎「関東館」「南山寮」=海港大楼など)とその展示、ロシア街の建築物を調査し、ロシアと日本の統治時代、また「満州国」時代における半植民地都市の形成の過程と今日における歴史的記憶の保存について考察を行った。 さらに大連港近くのクーリー収容所碧山荘の跡地や検疫所跡地、大連現代歴史博物館を訪れ、山東半島から大量の中国人労働者が海路で遼東半島に渡り、「満州国」における労働人材を成した歴史について調べた。中国近代化においてドイツ租借地として発展した山東半島の青島を、ロシア租借地として形成された遼東半島の大連と比較することにより、同様に半植民地としての歴史を有する都市のなかでの青島の特殊性について考察を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ただし、新型コロナウイルスの感染拡大のため、中国での調査はもちろん、日本国内の図書館など研究機関での調査ができず、1月以降の研究調査活動は予定よりも滞っている。
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今後の研究の推進方策 |
本年は最終年度であるが、新型コロナウイルスの感染拡大予防の観点から、主に国内にてZoom会議やZoom研究例会、講演会など遠隔の形式で研究発表を行う予定である。またこれまでの2年間の研究活動で収集した資料をもとに各自、研究論文の執筆と投稿をすすめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大により、研究活動が制限されたためである。 2020年秋以降は、国内の図書館などは制限付きで入館が許可され、調査も再開できる見込みがあり、本年度の予算を次年度に振り替えて使用する予定である。
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