研究課題
基盤研究(C)
本研究では、メディアおよび観客との関係性に注意を払いつつ、新聞や雑誌に掲載された文字資料や図像資料、脚本、唱本を用い、中華民国期における越劇の具体的発展の様相を明らかにした。研究を進めるにあたって国内外で各種資料を調査する予定であったが、コロナ禍により、初年度・2年目の上海図書館の調査にとどまった。また、越劇、および同時期に影響関係を持った上海京劇等に関し、国内の研究会で発表を行い、関連論考を発表した。
中国文学
本研究は、越劇を視覚的・聴覚的に記録し、同時に発信も行った新聞・雑誌等を中心とするメディア、および脚本・唱本といった出版物と、それを受容する層(=観客)との相関性を重視するという観点に基づき、越劇の発展形態の分析を行ったものである。それにより、中国都市部における伝統演劇史における越劇の位相を、従来より複層的に捉える必要性があることを提示した点において、学術的意義を持つ。