研究課題/領域番号 |
18K00366
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
馬籠 清子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60463816)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 古代 / ルネサンス / 宇宙観 / モダニズム / 四重奏 |
研究実績の概要 |
これまでの研究成果を、海外の査読付き出版物を通して発表することに力を入れた。また、資料の丁寧な精読・分析を進めながら、さらなる論文執筆に取り組んだ。
具体的には、2つの査読付き論文(研究書の章)が出版された。ひとつは、“Vladimir Nabokov’s Musico-Literary Microcosm: ‘Sounds,’ ‘Music,’ and Nabokov’s Quartet.” The Five Senses in Nabokov’s Works. Eds. Marie Bouchet, Julie Loison-Charles, and Isabelle Poulin. Palgrave Macmillan, pp.295-312。もうひとつは、“Carson McCullers’s Musico-Psychological Narrative and American Democracy during World War II: ‘Madame Zilensky and the King of Finland’ in the Socio-Political Context.” Understanding the Short Fiction of Carson McCullers. Eds. Alison Graham-Bertolini and Casey Kayser. Macon: Mercer University Press, pp.54-71 である。
さらに、全ての審査を終えて、“Vladimir Nabokov’s American Short Story Surrounded by the Image of Russia: ‘The Vane Sisters’ in Nabokov’s Quartet Interacting with Nathaniel Hawthorne’s ‘Young Goodman Brown’.” Connections and Influence in the Russian and American Short Story. Eds. Jeff Birkenstein and Robert C. Hauhart. Lanham: Lexington Books の出版が確定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
資料の収集を進めつつ、その精読と分析、さらには論文執筆が、ほぼ予定通り順調に進んでいる。特に、ここ2年の間に、本研究課題で注目する作家のうち、Carson McCullersとVladimir Nabokovに焦点を当てた論文が複数出版されてきた。査読や推敲の各段階から実際の出版までにかかる時間は出版社や編集者によりまちまちだが、McCullersとNabokovに関する研究が、2020年に2本、2021年に1本の論文という形で、海外の査読付研究書を通して出版されたり、出版が確定したりしている。
また、モダニズム期における「ピアノのお稽古」がもたらした影響について今現在執筆中の論文が1本ある。さらに、Thomas Mannのアメリカ時代の作品について執筆準備中の論文が1本あり、これも、海外の査読付き出版に挑戦する予定である。
これらの研究成果は、大学・大学院での担当授業にも柔軟に反映させ、公開に努めている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度には、“Vladimir Nabokov’s American Short Story Surrounded by the Image of Russia: ‘The Vane Sisters’ in Nabokov’s Quartet Interacting with Nathaniel Hawthorne’s ‘Young Goodman Brown’.” Connections and Influence in the Russian and American Short Story. Lanham: Lexington Books の出版が確定しているので、2020年に出版した“Vladimir Nabokov’s Musico-Literary Microcosm: ‘Sounds,’ ‘Music,’ and Nabokov’s Quartet.” The Five Senses in Nabokov’s Works. Palgrave Macmillan の議論と関連付けながら、2つの論文を本研究課題におけるVladimir Nabokov研究のまとめとして整理し、最終的には本研究課題の他の作家の分析部分と統合して1冊の研究書として出版する準備を始める。
また、執筆中のモダニズム期の「ピアノのお稽古」に関する論文を仕上げ、さらに、Thomas MannのDoctor Faustusに関する論文の執筆を開始する。T. S. EliotのFour Quartetsに関する論文の執筆準備も進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で、例年実施してきた海外での資料収集や学会発表が不可能となってしまったため、旅費として使う予定だった額が次年度使用額となった。
2021年度も、海外に渡航する形での資料収集などは難しい状態が続くと思われるが、海外で出版されている研究書や各種資料をインターネット上で購入したり取り寄せたりする際の費用に使うなど、工夫をしていく予定である。
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