研究実績の概要 |
これまでの科研費研究課題「モダニスト四重奏文学の共時的分析」(平成20から24年度)および「20世紀半ばのカルテット的世界観の分析」(平成25から29年度)をさらに発展させ、特に古代・ルネサンス期の宇宙観と、モダニズム期四重奏文学開花との関係性という、よりダイナミックな視点で分析を行った。
具体的には、大きく3人の作家(Carson McCullers, Vladimir Nabokov, Thomas Mann)を軸とした研究を行い、それぞれ、海外の査読付き研究書・学術誌を通して成果を発表した。論文としては、“Carson McCullers’s Musico-Psychological Narrative and American Democracy during World War II” (2020), “Vladimir Nabokov’s Musico-Literary Microcosm: ‘Sounds,’ ‘Music,’ and Nabokov’s Quartet” (2020),“ Vladimir Nabokov’s American Short Story Surrounded by the Image of Russia:” (2021), “The Symbolism of the String Quartet in Thomas Mann’s Doctor Faustus” (2022) が出版された。続けて、Aldous Huxley, Virginia Woolf, T. S. Eliotについての論文も執筆中である。
また、引き続き、この研究を新たな科研費研究課題(「対位法と弦楽四重奏がモダニズム文学を通して生み出す未来のヴィジョンの分析」、令和5から9年度)としてさらに発展させる予定であり、常に資料収集や読み込みを精力的に進めてきた。
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