研究課題/領域番号 |
18K00368
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
斎木 郁乃 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90294355)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ハーマン・メルヴィル / トランスナショナリズム |
研究実績の概要 |
新型コロナウィルス感染拡大への対応のため、今年度は感染対策やオンライン授業の準備と実施、まだ学生たちのケアなど大学での業務に専念せざるを得ず、研究活動に携わる時間を大幅に減らさざるを得なかった。国内外の学会も延期または中止となり、秋以降はオンライン開催されるようになったが、その運営に伴う新たな業務も生まれ、研究活動に時間を割くことが難しい一年であった。そのため、本研究も1年間の研究期間の延長申請をし、認められた。 寄稿が決まっていた名古屋大学英文学会第60回大会記念出版企画『シェイクスピアが騙す』(仮題)は、近代初期英国の基層文化まで浸潤した「騙し」に、シェイクピアの作品とその周辺に分析の焦点を合わせて、歴史的視座から解剖学的な光を投げかけることを目的とする研究書だが、2021年度の出版予定が1年延びたため、今年度は、投稿予定の「「エンカンターダス」におけるサバルタンの系譜―スペンサー、シェイクスピアからメルヴィルへ」(仮題)と題した論文執筆の準備として、主にスペンサーの『妖精の女王』とシェイクスピアの『テンペスト』およびポストコロニアリズムに関連する研究書や論文を収集し、検討した。また、LeviathanやAmerican Literatureなど主要な学会誌に掲載された研究論文と19世紀アメリカ文学を中心に論じた書籍を通じて、メルヴィルの諸作品についての最新の知見を概観した。秋以降は、オンラインで開催された国内外の学会に積極的に参加し、メールやチャットを利用して発表者と意見交換をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染拡大のため、大学の業務が増大し、また国内外の学会も中止や延期となり、海外渡航を必要とする資料収集も不可能であったことにより、およそ1年分の研究計画が来年度に持ち越しとなったため。
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今後の研究の推進方策 |
1年遅れで2022年6月にパリで開催される予定の国際メルヴィル学会Melville's Energy: Aesthetics, Politics, Ecologiesの研究発表に応募する。名古屋大学英文学会第60回大会記念出版企画『シェイクスピアが騙す』(仮題)に投稿予定の論文の第1稿を秋までに完成させる。早ければ2021年の8月、遅くとも2022年3月には海外渡航が可能になることを願い、夏休みまたは春休みを利用してアメリカにて資料収集をする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大のため、国内外の学会が延期、または中止となり、海外における資料収集もできなかったため、1年間予定していた研究活動ができなかった。次年度も海外渡航は難しいかもしれないが、夏休み以降の海外での資料収集を予定しており、それが叶わなかった場合は、国内における学会活動や研究執筆に専念する。
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