研究課題/領域番号 |
18K00370
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
桑山 智成 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (40388062)
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研究分担者 |
住本 規子 明星大学, 人文学部, 教授 (10247174)
廣田 篤彦 京都大学, 文学研究科, 教授 (40292718)
長瀬 真理子 九州工業大学, 教養教育院, 准教授 (80636506)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 文献学 / 文学 / 演劇学 / シェイクスピア |
研究成果の概要 |
初のシェイクスピア戯曲集第1-4版(F1-4)の編集や出版の一端を明らかにし、版の異同と作品解釈との関係も考察した。例えばF2編集にはシェイクスピアをより賞賛する一方で編集者自身の詩作行為も含む二律背反性があることや、現在も採用されるF2校訂への再考の必要性を指摘した。従来、不明であったF4印刷業者については、出版物の損傷活字の調査を通して特定に成功し、F1, F2, F4印刷業者の関連についても指摘した。さらに『ウィンザーの陽気な女房たち』の初期版本間の特定の異句が西洋古典的な変身のイングランド的変容を示す等、テクストの異同から新たな解釈の可能性を示した。
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自由記述の分野 |
イギリス演劇
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで注目されることの少なかった戯曲集第2版以降の編集や出版状況の一端を明らかにしたことには、書誌学そしてシェイクスピアの受容史上の意義がある。特にF4印刷業者の特定は大きな成果だといえる。また、F2の校訂の有効性を吟味したことは現代の編集テクストへの、特に日本においては翻訳テクストへの影響がある。一方でF1やそれ以前の版本の異句についてはそれぞれに解釈が成立し得る例を示したことで、シェイクスピア作品の多面的理解を促進することができた。また、これらの成果を、Zoomセミナーを通して国際的に発信し、今後の共同研究等の基盤を構築したことの意義も大きい。
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