研究実績の概要 |
2019年12月8日に開催された日本英文学会関西支部大会第14回大会(於:奈良女子大学)で行ったシンポジウム「冒険の残滓ーー『ロビンソン・クルーソー』から300年」において発表した内容を論文として発表した。2022年7月16日に開拓社から発行された書物『十八世紀イギリス文学研究[7号] ーー変貌する言語・文化・世界』の巻頭論文「浜辺の想念ーークルーソーの垂直的冒険」(pp.2-23)である。本書は査読がある論集なので、投稿した後、編集者との数回にわたる議論の結果、採用され、上梓されたものである。『ロビンソン・クルーソー』出版から300周年を記念したシンポジウムの趣旨に則り、地理学的想像力の源泉とも言える本作をイギリスとカリブ海を巡る「対蹠地」という概念で再解釈した。 また、第94回日本英文学会(2022年5月22日、オンライン大会」で行った特別シンポジウムである「<ポスト><ウィズ>コロナ時代の英語英米文学研究ーーデジタル・ヒューマニティーズに向けて」の司会を服部が務めたが、それに基づき、学2023年1月20日発行の学会誌『英文学研究 支部統合号』(第15巻)に論文を掲載した(特別寄稿論文←招待論文)。「'Plague was not in London alone, it was every where'ーー「疫病(戦争)文学」と<ポスト><ウィズ>コロナ時代」(pp.153-160)である。本論文で扱った文学作品は、どれも地理学的想像力にまつわるものであり、移動が物語の中核に見られることを、疫病や戦争と関連付けて論じた。 以上の二つの実績は、本科研の最終年度にあたって、締めくくりにふさわしい業績になったと自負するものである。
|