研究課題/領域番号 |
18K00376
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
山城 新 琉球大学, 国際地域創造学部, 教授 (80363654)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 海事史 / 海の文学 / アメリカ文学 / 環境文学 |
研究実績の概要 |
2019年8月10日から16日の日程で英国大英図書館、グリニッジ王立博物館を訪問し海事、海運史関連資料を調査した。大英博物館においての調査目的は1)英国所蔵の米国海事・海運資料の所在の確認と、2)19世紀米国海事思想家であるAlfred Thayer Mahanの思想的背景を同時代の英国の史料の中に探ること、更に3)米英海軍の文化的特徴の違いを史料の中に探ること、であった。1)に関して米国海事関連史料館よりも遥かに多様な海図や海路史料の種類が所蔵されているこをと把握した。2)についてはマハン自身がしばしば言及する英国ネルソン提督関連の海図史料を収集した。3)英米の海軍の活動が果たした文化的要素を考慮する際の興味深い史料としてグリニッジ王立博物館所蔵の"dazzle ship"あるいは"dazzle camouflage"と呼ばれる艦船に施された迷彩デザイン関連の記録を収集した。
2019年9月16日から22日の日程で米国・ボストンセイラム のPeabody Essex MuseumのPhilip Libraryを訪問し、東海岸の商船の航路や海図を中心に資料収集した。今回新たに見つけた資料はSailing Ship Card(帆船カード)である。Philip Libraryでは更にその最新資料に含まれていない帆船カードが所蔵されていることが分かった。世界的に帆船カードをまとまったコレクションとして所蔵しているのはPhilip Libraryのみであり、今回収集した資料を元に帆船カードを基に米国商船の活動範囲とその際に用いられたマーケット戦略や商船の果たした文化的役割について分析を進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査範囲を広げて大英図書館を訪問したが、想定していたよりも史料が膨大であった分、調査で時間を要してしまい、今後のさらなる史料分析が必要になった。次年度(最終年度)でもう少し具体的な研究成果を出す必要があるが、収集した史料の解題でまだ時間が必要である。いくつか今回の海外調査出張で新たな研究トピックを発見したが、今後研究成果としてまとめていくためには更に研究題目の具体化していく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
集めた史料を解題するとともに、研究成果として形にするためには、更に研究題目を具体化していく必要がある。英国・リバプール所在の海事図書館も多様な史料を有していることが分かったが、新型コロナ感染症の影響で国内を含めた2020年度の調査出張は未定である。国内出張が可能な状況になれば、東京と神奈川の海事博物館を訪問し、これまで収集した史料と比較検討を試みる予定である。もし国内外出張が難しい状況であれば、収集済み史料をの解題と整理を進め、2020年度で研究成果をまとめられるよう努力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度開設した新学部改組の作業委員であったことにより、副学部長職を務めるのみならず、その後の教務と入試委員長としての役割が多岐に渡り、国内外出張計画が予定どおりに遂行できなかった。また、想定していたよりも備品(資料)の出費が低く抑えられた。資料整理及び英文校閲の為に見積もっていた人件費は上記の研究進捗により次年度以降に執行することになった。
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