研究課題/領域番号 |
18K00376
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
山城 新 琉球大学, 国際地域創造学部, 教授 (80363654)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 海洋文学 / 海洋文化 / 海とグローバリズム / 環境文学 / 環境批評 |
研究実績の概要 |
予定されていた国内外出張がコロナ禍によりキャンセルとなり、最終的取りまとめの作業計画を大幅に変更せざるを得なくなった。計画を変更し、研究機関を1年延長するとともに、次年度(2021年度)の出張調査可能性を検討中である。 2020年度中は、上記理由により、これまでの調査資料の解読に充てられることになった。 まず、2019年度の調査出張で収集したSailing Ship Cardを出港日、出港地、目的地を元に整理した上で、米国Mystic Seaport Museum所蔵のオンライン公開資料と相互比較することで、米国と英国間を流通した広告メディアの動態について考察を進めた。また、使用されている図像について、19世紀英米の一般的絵画(風景画)の技風との関連性を比較分析中である。 今回のコロナ禍をきっかけとして、英米におけるパンデミック史と海運・航海との関係について、コロンブス以来の欧米植民地政策の歴史は、Alex Chase-LevensonによるThe Yellow Flag: Quarantine and the British Mediterranean World, 1780-1860(Cambridge University Press、2020)及び John BookerによるMaritime Quarantine: The British Experience, c.1650-1900(2007年、Routledge)を中心に関連性を分析中である。 『英文学研究(第97巻)』からの依頼により書評「石原剛編著『空とアメリカ文学』 彩流社 2019年」を執筆し、同誌に掲載された(2020年)。 教育面では、共通教育科目「総合環境学概論」「環境と文学」と専門科目「総合環境論」「地域国際実践力演習II」の中で海環境と海洋文学関連の資料を基に講義を実践した。特に「地域国際実践力演習II」においては今回の科研資料分析と関連させて「海の風景画」と海の文学について講義トピックを提供し、「環境と文学」においては石牟礼美智子とレイチェル・カーソンの環境言説と海環境との関連性について現在研究中のトピックから話題を提供した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍により最終的海外出張がキャンセルとなったので、2021年度に研究期間を延長して、再調査の為の時期を検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の状況をみながら、2021年度の後半に海外出張の可能性を検討する。今回調査出張が可能かどうかは、10月頃までに決断する。仮に出張が難しい場合には、海外出張費は資料(書籍)の購入費に充てる。引き続きこれまでの資料を整理、分析を続け、論文にまとめ、海外査読付きジャーナルへの投稿を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により最終年度の調査出張をキャンセルすることになったため、調査計画を大幅に変更することになった。研究期間を1年延長し、再度研究計画を見直した上で、最終年度(2021年度)に計画的に執行できるようにする。まず海外出張の可能性については10月頃までには決定する。仮に本年度も調査出張が難しい場合には、資料購入費として残額を充てつつ、最終的には海外査読付きジャーナルに論文投稿を目指すため、英文校閲費も確保する。
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