研究課題/領域番号 |
18K00377
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
吉本 和弘 県立広島大学, 地域創生学部, 教授 (90210773)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 写真術の出現 / ラファエル前派絵画 / ルイス・キャロル / ジュリア・マーガレット・キャメロン / レディ・クレメンティーナ・ヘイワーデン / ヴィクトリア朝英国 |
研究成果の概要 |
19世紀中盤に発明された写真術は新しいメディアとして人々の視覚的認識に大きな影響を与えた。この影響について、同じ頃英国に出現したラファエル前派の絵画との比較や、それを取り巻く文学や美術批評の状況を検証することによってその意義を探ることが本研究の目的である。具体的にはO. G. レイランダー、ルイス・キャロル、ジュリア・マーガレット・キャメロン、レディ・クレメンティーナ・ヘイワーデンなどの写真作品と、ラファエル前派の画家ジョン・エヴェレット・ミレイやダンテ・ガブリエル・ロセッティらの絵画の分析、ジョン・ラスキンの美術理論などを通して、写真と絵画の相互影響関係について考察する論文を発表した。
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自由記述の分野 |
英文学・英文化研究
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
写真というメディアの使用形態が大きく変化している現代において、写真というものが我々の認識に与える影響の大きさを再認識することは重要な課題と言える。もはや写真はいつでもどこでも、ほぼ無限に撮影、複製可能となり、瞬時に世界に拡散する。またAIの進歩により、写真は容易に捏造することも可能だ。 この状況にあって、写真が人間にとってどのような意味を持ったのか、写真が出現した時代の状況を振り返ってみることは大きな意義があるだろう。本研究の成果は19世紀の英国で写真と絵画がどのようなせめぎ合いを見せたのかを確認することで、写真に対して我々がどう向かい合うのかを考えてもらう機会となるであろう。
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