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2020 年度 実施状況報告書

古事物愛好主義(Antiquarianism)とイギリス・ロマン主義文学・文化

研究課題

研究課題/領域番号 18K00379
研究機関宮城学院女子大学

研究代表者

鈴木 雅之  宮城学院女子大学, 付置研究所, 研究員 (50091195)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード古事物愛好主義 / 古代ブリトン人 / ドルイド教 / ストーンヘンジ / 起源 / ウィリアム・キャムデン / 古代詩人(Bard)
研究実績の概要

昨年度に引き続き今年度もイギリス・ロマン主義時代の古事物愛好主義的言説を──1.古代ブリトン人、2.ドルイド教、ストーンヘンジ、3.ウェールズにおける古詩とバードの伝統、ケルト民族起源論、4.古代神話論、思弁的神話作家、オシアン現象、5.地方誌等──に分類し、その政治的・歴史的・宗教的背景を明らかにする作業を継続した。これらの項目は言うまでもなく密接な相互依存関係にある。この時代に広く読まれた多様な言説を精読し、当時の一筋縄ではいかない複雑な「古代」観の整理を継続した。古代ブリテン時代のドルイド教とキリスト教の複雑な関係を探るには、古代ブリテンにおけるドルイド教とユダヤ教とキリスト教の起源を絡ませて考察することが必要だ。とくにブレイクの宗教を論じる際に欠かせないのがスウェーデンの神秘思想家エマヌエル・スヴェーデンボリである。18世紀後半から19世紀半ばにかけて、ヨーロッパのみならず大西洋の両岸において広く受容されたスヴェーデンボリの『天界と地獄』(1778)、『神の摂理に関する天使の智恵』(1790)等のブレイクへの影響とブレイクの宗教観を探った。
コロナ禍にあるため、イギリスへ資料収集に出かけ文献の充実をはかることはできなかったが、オンラインによる関連学会等に出席しまた研究発表を行い情報の交換を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「おおむね順調に進展している」と「おおむね」としたのは、1昨年度末以来、新型コロナウィルスが瞬く間に世界を席巻したからである。そのため昨年度末に予定していた海外出張もまた国内の移動もすべてキャンセルを余儀なくされたことから、思うような研究活動を行うことができなかった。

今後の研究の推進方策

古事物愛好主義的言説項目の広範囲にわたる影響および内的関連性を、横断領域的にイギリス・ロマン主義時代の文学・文化の諸領域に探り考察を深めることを継続する。昨年度入手できなかった文献や図版を入手し古事物愛好主義と視覚文化との関係を解読する研究作業を継続する。

次年度使用額が生じた理由

年度末から世界を席巻した新型コロナウイルスのため、国外はもとより国内の移動や学会がすべて中止になったことから次年度使用額が生じた。コロナウイルス感染が収まれば本年度予定していた国内および海外での研究活動が可能となるのでそのために使用する

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 「幻想的な黙想」─ ブレイクの古事物愛好主義的想像力2021

    • 著者名/発表者名
      鈴木雅之
    • 雑誌名

      関西英文学研究

      巻: 15 ページ: 1-25

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Swedenborgian “Science of Correspondences”: Reception and Transformation of William Blake and D. T. Suzuki2022

    • 著者名/発表者名
      Masashi Suzuki
    • 学会等名
      Global Blake

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公開日: 2021-12-27  

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