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2023 年度 実績報告書

ディアスポラの文学──サン=ドマングからアメリカへ

研究課題

研究課題/領域番号 18K00384
研究機関成蹊大学

研究代表者

庄司 宏子  成蹊大学, 文学部, 教授 (50272472)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワードディアスポラ / サン=ドマング / アフリカ系アメリカ文学
研究実績の概要

研究期間の最終年度の2023年度には、アメリカに渡ったヨーロッパ系やアフリカ系の人々のディアスポラに関する文献を調査収集するためニューヨークのコロンビア大学バトラー図書館およびカリフォルニア州立大学バークレー校のドウ図書館に赴いた。両図書館が所蔵する膨大な資料を閲覧できるデータベースを用いて、ヨーロッパ、アフリカおよびカリブ海地域のディアスポラに関する文献を調査・収集した。特にハーレム・ルネサンスやトランス・アトランティックのディアスポラに関する資料を入手できたことは大変有益であった。
研究期間全体を通じて、当初はアメリカ建国期のサン=ドマング(現ハイチ)からのディアスポラおよび渡航者が記した文献や小説を渉猟してサン=ドマングの奴隷反乱が建国期アメリカに及ぼした影響を分析し、アメリカを含むカリブ海地域を重要な地政学的エリアとして捉え、ヨーロッパの覇権と植民地の抵抗をめぐる文化的交渉圏として見ることを目指していた。研究期間の中頃からディアスポラ文学として20世紀後半のより最近にアフリカからアメリカに渡った移民に出自を持つNana Kwame Adjei-BrenyahやTeju Coleなど現代作家の文学に焦点を置くようになった。アジェイ=ブレニヤーの『フライデー・ブラック』は、奴隷制度に由来しない現代アフリカ系アメリカ人がアメリカの資本主義と人種主義の暴力に晒されるさまを鋭く描き出す。またテジュ・コールの文学は現代的なディアスポラ空間を鮮やかに描出する。研究期間中にコロナによる渡航制限が設けられたこともあり、資料収集が最終年度まで難しく18世紀末の建国期アメリカに関する文献収集がなかなかできなかったことがその一因であるが、建国期アメリカとカリブ海地域との政治的・経済的・文化的交流は研究の重要課題であるので今後も取り組んでいきたいと思っている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Confederate Flagに関する一考察:“heritage”か“hate”を超えた思考にむけて2023

    • 著者名/発表者名
      庄司宏子
    • 雑誌名

      成蹊英語英文学研究

      巻: 第27号 ページ: 1-20

    • DOI

      10.15018/00001352

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2024-12-25  

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