研究課題/領域番号 |
18K00389
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
三神 弘子 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (20181860)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | トム・マーフィー / アイルランド / アイルランド演劇 / 心性史 |
研究実績の概要 |
劇作家トム・マーフィーは、The House(2000)という作品を、「自分の過去の作品群との関係がこの劇の中にはあり、古くからこだわってきた様々なテーマが込められている」と位置づけ、「過去の作品群を総括したものである」と述べているが、The Houseを起点に、マーフィーの作品の全体像を捕らえ、アイルランドの心性史の中に位置づける作業を進めた。研究計画に従い、音楽がマーフィーの文学性にどのように寄与し、それぞれの作品のテーマを支えているかについて、考察を進める中で、テキストと上演の関係性について検討する必要が生じた。この点における、マーフィーの特殊性について、2019年7月に開催されるIASIL国際大会では、この視点から口頭発表の予定。 一方、BGMとして使われるオペラやクラシック音楽の要素、登場人物の内面を露わにする舞台で歌われる歌の役割を、The Houseとの関連の中で検討した。 アイルランドの国立劇場であるアビー・シアターの所蔵の映像記録を、8月と1月~3月にかけてのダブリン出張で集中的に視聴できたこと、またトリニティ・カレッジ(TCD)のマーフィー文書を調査できたことは大きな収穫であった。TCDの付属機関であるTrinity Centre for Literary and Cultural TranslationからTranslator in Residenceとして、Bursary(奨学金)を1月末から3月末(2019年7月末まで継続)まで受けることができ、The HouseとBrigit(2014)の翻訳出版の補助を政府機関であるLiterature Irelandから受ける目処がたったため、2~3月の間は、この2作品の翻訳を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Literature Irelandから補助金を受けられる目処がたったため、The HouseとBrigitを翻訳出版するという、本来の研究計画にはなかったが翻訳作業が加わった。そのため、論文執筆が少し遅れてはいるが、本研究の中心に据えたThe Houseを翻訳することで、さらに詳細な分析が可能になってきている。
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今後の研究の推進方策 |
2019年1月末から7月末にかけて、ダブリンに滞在できるという機会を最大限に利用し、トリニティ・カレッジが所蔵するマーフィー文書、アビー・シアターのアーカイブが所蔵する関連資料、映像資料などを集中的に調査し、論文執筆を進める。2019年度は、マーフィーの音楽性と、移民のテーマについて焦点を当てる。
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