研究課題/領域番号 |
18K00389
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
三神 弘子 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (20181860)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | トム・マーフィー / アイルランド / アイルランド演劇 / 心性史 |
研究実績の概要 |
前年度(平成31年度1月末~3月末)に引き続き、トリニティ・カレッジ・ダブリン(TCD)の付属機関であるTrinity Centre for Literary and Cultural TranslationとLiterature IrelandからTranslator in Residenceとして、4月1日から7月末までBursary(奨学金)を受け、マーフィーの作品The House(2000)とBrigit(2014)の翻訳を完了することができた。翻訳出版は、本来の研究計画には含まれていなかったものであるが、本研究の中心に据えたThe Houseの翻訳作業を通して、一層詳細な分析が可能となった。また、ダブリン滞在中に、アイルランドの国立劇場であるアビー・シアター所蔵のアーカイブ資料、トリニティ・カレッジ図書館所蔵のマーフィー文書の調査を行った成果と合わせて、International Association for the Study of Irish Literatures(IASIL)の年次大会(於TCD)で、マーフィーの暴力性について、テキストと上演という視点から報告することができた。 またTCDに於ける学会発表の際、ある質問者から受けた質問を発展させ、質問者が編纂するブラジルの学術誌 The Journal Ilha do Desterroに マーフィー以外の作家の暴力性について論文にまとめることができた。これは、当該研究の直接の研究成果ではないが、上記の学会発表がなければ生まれなかった成果として位置付ける。また、2020年度にポーランドのUniversity of Lodzで開催予定だった、IASILの年次大会で、マーフィーに関するシンポジウムを共同で運営する運びとなった。(2022年に延期)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年1月末から7月末までの6ヶ月間、ダブリンに滞在し、研究に専念できたことは、研究を進める上で、非常に大きな機会となった。ただ、年度ごとの計画が少し入れ替わったので、今後、その調整を行っていく予定。
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今後の研究の推進方策 |
本来は、令和2年度に扱う予定であったマーフィー作品に見られる暴力性について、平成31年度(令和1年度)に先に取り上げたので、令和1年度に扱う予定であった、マーフィーに見られる「移民の問題」について、令和2年度に取り上げることとする。ダブリンへの研究出張を予定しているが、Covid-2019の状況を鑑みて、適切な判断を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
アイルランドへの研究出張費として予算を計上していたが、Literature Ireland/Trinity Centre for Literary and Cultural Translationからのグラントにより、2019年1月末から7月末までのダブリン滞在が可能となり、当該年度前半の支出が抑えられたことに加え、Covid-2019の問題で、年度末の研究出張が実施できなくなったため。今後の出張計画に関しては、コロナ問題の状況を鑑みて判断する。
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