研究実績の概要 |
2023年度には、2019年までの研究成果、および、パンデミック中の2020年度に中止になった学会で発表予定であったものの他の学会で2022年度以降に発表した論文を、研究成果としてとりまとめ出版することを中心に行った。 1.当課題のテーマである、倫理的・美学的価値基準における反価値の表象についての、当課題期間中および次の課題(22K00436)期間中の成果のうち既に学会誌等で公開済みの論文をとりまとめて、一般向けの書籍、『私たちはシェイクスピアの同時代人』(春風社 2024年3月)として出版した。本書のうち、1, 2, 4, 5章が当課題期間中の成果の再掲載である。各章が既刊の論文であるため、新たな業績の発表としての意義はないが、学会誌の読者は、主に学会会員や講読中の研究者のみに限定されるのに対して、研究者以外の読者にも研究成果を広くアクセス可能にするという目的で出版した。 2.研究成果の一般読者に向けた公開にあたり、既刊論文においては字数制限等で削除した部分を付加し、さらに新たな加筆や修正を行い、図版を増やした。図版の複製・使用、また、書籍出版における映画台本からの引用、および本書の書名が因む先行研究文献の書名の引用に関して、各権利者から許諾を得た上で、図版複製や引用を行った。 3.論文「ボレアリズム的『ハムレット』:映画『ノースマン』の北欧表象」(『比較文化研究』151号2023年5月発行)の掲載にあたっての校正などを行った。 なお2018年度から2023年度までの課題期間および延長期間全体を通じては、国際学会の発表8回、単著論文出版は7篇であった(2022年度からの別の科研課題に帰属する学会発表と論文出版は含まない)。
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