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2021 年度 実績報告書

アジア系アメリカ演劇におけるアメラジアン(混血)性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K00395
研究機関奈良大学

研究代表者

古木 圭子  奈良大学, 文学部, 教授 (80259738)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードアメラジアン / マイノリティ演劇 / 演劇におけるローカリティ / Velina Hasu Houston
研究実績の概要

本研究は、アメリカにおける混血人種の研究史を踏まえた上で、アジア系、エスニックおよびマイノリティのアメリカ演劇の再定義を行うことを目的とした。特にアメラジアンという呼称を劇作家として広く知らしめたVelina Hasu Houston(1957- )の戯曲研究を中心に、アジア系、アフリカ系の戯曲上演を中心とする劇場、さらに、いわゆる「メインストリーム」の劇場におけるアメラジアンの劇作家の戯曲の受容状況について調査を進めた。
2000年以降のHoustonの戯曲にみられる母と娘の連帯と女性の自立、父親の不在などの要素は、Tennessee Williams (1911-83) のThe Glass Menagerie (1945) などにも顕著にみられ、アメリカ演劇の伝統を踏襲していると言えるが、自らの人種性をポジティヴに捉えることによって女性同士の連帯感と自立心を強め、男性「不在」の世界を敢えて選択するという点に独自性があり、混血に対する人種的偏見への批判と共に、ジェンダー間の偏見についても批判的眼差しを内包することを本研究によって明らかにした。
さらに本研究においては、Houstonが描く「場所」と人種の問題について考察を進めた。彼女の戯曲 Asa ga Kimashita は,アメリカ移住前の日本人家族が描かれ、American DreamsとTeaではアメリカに住む戦争花嫁が主人公として設定されている。A Spot of Botherは舞台がロンドンに設定されており、白人と東インド系の混血女性が主人公であるが、イギリスは、母娘の連帯が強調される点で歴史性と連続性の象徴である一方、アメリカは、男性の逃亡と家族からの離脱という意味において断続性を表す。以上のような観点から本研究では、Houstonが描くアメリカ、イギリス、日本という「場所」と人種性の関連を探った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [学会発表] Chiori Miyagawa の描く幽玄の世―This Lingering Life を中心に2021

    • 著者名/発表者名
      古木圭子
    • 学会等名
      AALA(アジア系アメリカ文学会)第142回例会
  • [図書] 回帰する英米文学―時代を生き抜く<学び>とは―2021

    • 著者名/発表者名
      高橋美帆・瀧川宏樹 編,高橋美帆、古木圭子(他)
    • 総ページ数
      361 pp.
    • 出版者
      大阪教育図書
    • ISBN
      4271210692
  • [図書] アジア系トランスボーダー文学: アジア系アメリカ文学研究の新地平2021

    • 著者名/発表者名
      山本秀行,麻生享志, 古木圭子,牧野理英 (編著)
    • 総ページ数
      260 pp.
    • 出版者
      小鳥遊書房
    • ISBN
      4909812652

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公開日: 2022-12-28  

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