研究課題/領域番号 |
18K00396
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
吉田 恭子 立命館大学, 文学部, 教授 (90338244)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | クリエイティヴ・ライティング・プログラム / 創作科 / アメリカ文学 / 冷戦 / 文化外交 / モダニズム / 世界文学 |
研究実績の概要 |
本研究の初年度に当たる2018年度は、(1)連携研究者との共同発表を行い、(2)海外で関連研究を進める研究者とネットワークを形成し、(3)資料収集と成果発信の環境整備を行った。 まず(1)については、アメリカ学会第52回年次大会「部会D文化冷戦の諸相――ロックフェラー財団・翻訳・Creative Writing」パネルにて、連携研究者越智博美を司会に、「冷戦とクリエイティヴ・ライティング」と題して報告を行った。その後、同パネル報告者の金志映著『日本文学の<戦後>と変奏される<アメリカ>――占領から文化冷戦の時代へ』(ミネルヴァ書房, 2019)出版に伴い合評会に参加、連携研究者や内外の研究者と意見交換を行った。(2)については、レベッカ・ウォルコウィッツ教授(米国ラトガース大学)京都講演、ジョージタウン文学祭(マレーシア)、香港バプテスト大学国際作家ワークショップと文学祭(香港)、米国作家創作科協会年次大会(米国ポートランド)に参加し、冷戦期における自由陣営の創作教育環境について情報交換を行うとともに、今後の研究への協力体制を構築した。香港滞在中には、冷戦期のアイオワ大学におけるクリエイティヴ・ライティング教授法の背景とフィリピンにおける英語創作教授の展開についてのシンポジウムをスカイプで視聴した。(3)については、関連書籍・資料を収集する一方で、今後、論文・研究発表以外の方式で成果を発信し、国内外の研究者と情報交換を推進する準備としてウェブサイトを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね計画通りに研究は進んでいるが、2018年度は海外からの招聘滞在や招待講演を受けたために、予算の執行が計画ほどには進まなかった。 その一方で今年度はアメリカ学会部会Dでの発表や香港からの招聘がきっかけで、同じ領域に興味を持つ研究者とのネットワークが広がった。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度秋より2020年度秋まで在外研究のため英国に滞在するので、英国のアーカイブ資料なども活用する。また、今年度構築した研究社のネットワークを生かして、海外から研究者を招聘しながら、学会や講演にも積極的に参加していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
米国作家創作科協会(the Association of Writers and Writing Programs) での学会発表のための出張の帰国日が4月1日になり、支出が2019年度へ回されたため。また、香港の文学祭に参加したが、招待講演であったため、旅費・宿泊費・日当が支給され、結果的に科研費の支出が進まなかった。次年度は上記の学会出張費を精算する。また、アメリカから詩人・翻訳家のフォレスト・ガンダー氏を招聘する。加えて、アイオワ大学のケンダル・ハイツマン教授の来日時に東京で研究会を開催する予定である。
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