研究課題/領域番号 |
18K00396
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
吉田 恭子 立命館大学, 文学部, 教授 (90338244)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | クリエイティヴ・ライティング・プログラム / 創作科 / アメリカ文学 / モダニズム / 世界文学 / 冷戦 / 翻訳研究 / ポスト国民文学 |
研究実績の概要 |
本研究の第2年度にあたる2019年度は、前半期に(1)日本語論文の執筆と論集の編纂および(2)国外の学会や研究会での発表と日本での国際的研究会の開催を行い、後半期は(3)イギリス、オックスフォード大学での研究資料収集及び(4)研究ネットワークづくりに努めた。 まず(1)については、研究代表者が編著をつとめる論文集『精読という迷宮--アメリカ文学のメタリーディング』の前文を執筆し、アメリカ文学研究における精読のシステムが冷戦構造と密接な関係を持つことを明らかにした。(2)については、初年度に招聘したレベッカ・ウォルコヴィッツ教授主催の翻訳理論研究ワークショップに参加し、ポスト国民文学時代のエクリチュールと翻訳について講演を、アメリカ文芸翻訳者協会の年次大会で研究発表を行い、アイオワ大学のケンダル・ハイツマン准教授を招聘し研究会「アイオワ国際創作プログラムと日本文学」を主催した。 後半期は所属機関の在外研究制度によりイギリスにオックスフォード大学訪問研究員として滞在し、英文科・比較理論翻訳研究科・ライフライティング研究グループなどと連携しながら、関連研究者とネットワークを形成し将来の共同研究やワークショップの企画を立て、口頭発表や資料収集を行った。とりわけ、(3)アイオワ大学創作科ディレクターだったポール・エングルの戦前の思想や研究執筆活動について、オックスフォード大学のローズ奨学金アーカイヴ、マートン・カレッジ図書館のアーカイヴで資料を閲覧できたことが今後の研究に資すると思われる。また、(4)については、セントクロス・カレッジのエイドリアナ・ジェイコブズ教授(ヘブライ語文学・翻訳研究)とセントピーターズ・カレッジのピーター・マクドナルド教授(近現代英語文学・比較文学)との協働体制が築けたことも成果であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は概ね計画通りに研究が進んだが、COVID-19の世界的大流行に伴い、年度末3月中旬以後、出張のキャンセルや大学図書館の休館に伴う支障が生じた。来年度の進捗の遅れが懸念される。
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今後の研究の推進方策 |
2020年9月まで在外研究のために英国滞在を継続する。ただし現在COVID-19の影響で資料収集や研究協力・学会参加などの方法がきわめて限られており、主に読解作業や論文の執筆や、研究書や文学作品の翻訳、インターネットを利用した情報の発信を中心に行う予定。また、今後の状況も不透明なため、臨機応変に研究を進めていく。
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